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P3621 The comparative study of 20mg of rosuvastatin and 40mg of atorvastatin on plaque regression and stabilization in patients with mild to moderate degree of coronary stenosis with vulnerable plaque
Y. J. Hong氏,Chonnam National University Hospital(韓国)
不安定プラーク退縮作用は薬剤ではなくLDL-C低下率に依存する
■脂質改善作用に有意差なければ,プラーク退縮作用にも有意差なし
対象となったのは, 30〜60%の冠動脈狭窄を認め,血管内超音波法(IVUS)にて,不安定プラークを認めた狭心症患者30例(45病変)。「不安定プラーク」とは,「大きな脂質コア」と「薄い線維性被膜」を有するプラークとした。これら30例をロスバスタチン(20mg/日)群(16例,24病変)とアトルバスタチン(40mg/日)群(14例,21病変)に無作為割り付けし,12カ月間追跡した。
12カ月後の脂質代謝改善効果は,両群で同等であった。総コレステロール,LDLコレステロール(LDL-C)はいずれも両群とも50%前後低下し,HDLコレステロール(HDL-C),トリグリセライドの変化率はいずれも両群間で有意差はみられなかった。
プラーク退縮作用では,プラーク容積退縮率,血管内腔容積増加率ともロスバスタチン群とアトルバスタチン群で有意差はなかった。脂質コアに対する作用も同様で,ロスバスタチン群では脂質コア面積の減少がアトルバスタチン群に比べより大きかったが,有意差には至らなかった。
一方,両群の成績を合わせて検討すると,試験終了時の「LDL-C値」と「プラーク容積変化量」の間に有意な正の相関が認められ(r=0.577),LDL-Cが低値になるほどプラーク容積が減少することが明らかになった。
以上より,「ロスバスタチン(20mg/日)とアトルバスタチン(40mg/日)はいずれも,狭心症患者の不安定プラークを有意に退縮させ安定化させたが,不安定プラークの退縮・安定化はスタチンの種類ではなく,LDL-C値と相関する」とHong氏は結論した。
P4065
High-dose atorvastatin provides sustained benefit in reducing risk of cardiovascular disease throughout the Treating to New Targets (TNT) trial
J. C. LaRosa氏,State University of New York(米国)
一次予防に限らなくとも積極的LDL-C低下療法は有用:
TNTスタディ事後解析
■イベント発生患者の40%ではさらなるイベントが発生
本解析では,TNTスタディ開始後の初発イベントだけでなく,その後に発生したイベントもすべて含めて事後解析を行った。TNTスタディにおけるイベントの初発を経験したのは3,082例だが,うち1,516例はイベント再発し,さらに698例,345例,197例ではそれぞれ3回,4回,5回のイベントを発症していた。
これらイベント発症回数で,アトルバスタチン80mg/日群と10mg/日群の心血管イベントハザード比を比べると,発症回数にかかわらず,80mg/日群で有意なリスクの減少が認められた。80mg/日群における相対リスク減少率は,初発患者で19%(p<0.0001),再発で21%(p<0.0001),3回では24%(p=0.0004),4回で28%(p=0.003),5回で29%(p=0.018)であった。
なお,初発イベントで最も多かったのは狭心症であったが,再発以降では冠血行再建術施行が一貫して最多であり,狭心症がそれに続いていた。
以上の結果より「冠動脈疾患患者における心血管イベント再発は決して少なくないが,積極的LDLコレステロール低下療法の有用性は,これら再発を繰り返す患者でも認められた」とLaRosa氏は結論した。
P3659
The relation of cholesterol absorption and synthesis is a strong predictor of concomitant coronary heart disease in patients with aortic stenosis
O. Weingärtner氏,Universitätsklinikum des Saarlandes(ドイツ)
コレステロール吸収亢進は冠動脈疾患の予知因子
■コレステロール吸収/合成比が冠動脈スコアと正相関
対象は大動脈弁狭窄の連続40例。平均年齢は71歳,16例に心血管疾患家族歴があった。また合併症では,18例が冠動脈疾患を,8例は糖尿病,12例が高血圧を合併していた。脂質異常症を合併していたのは7例,全例の総コレステロール平均値は187mg/dLであった。
まず,コレステロール吸収・合成の割合を血中「カンペステロール/ラソステロール比」で評価したところ,心血管疾患家族歴有群で有意に高値となっており(p<0.005,家族歴のある群では,コレステロール吸収が亢進していると考えられた。
同様に,冠動脈疾患合併患者群でも非合併群に比べ「カンペステロール/ラソステロール比」は有意に高値となっていた。さらに冠動脈疾患群でも多枝病変となるほど「カンペステロール/ラソステロール比」の増加傾向がみられた。
また「カンペステロール/ラソステロール比」は冠動脈スコアと正の相関を示したが(r=0.546,p<0.0005),総コレステロール値と冠動脈スコアとの相関はみられなかった。
さらに典型的な危険因子ごとに解析を行ったところ,「カンペステロール/ラソステロール比」だけが冠動脈疾患の有意なリスクとなっており,家族歴や総コレステロール値は有意ではなかった。
Weingärtner氏は,「この研究から,カンペステロール/ラソステロール比は冠動脈疾患の予知因子であるとなりうる」と結論し,「コレステロールの合成が減弱し,吸収が亢進している患者では,スタチン+コレステロール吸収阻害剤の併用が有用だろう」と述べた。
P2020
Hypercholesterolemia causes systolic and diastolic dysfunction
J. Rubinstein氏,Michigan State University(米国)
高コレステロール食による心機能の低下を,
エゼチミブにより抑制できる可能性が動物実験において示唆
■エゼチミブが心保護的に作用する可能性 Rubinstein氏はウサギを対象とし,「高コレステロール食負荷」群(n=10),「高コレステロール食+エゼチミブ(1mg/kg/日)投与」群(n=10),「通常食」対照群(n=7)の3群に分け,試験開始時と3カ月後における,心機能と血清中および心筋中のコレステロール濃度を検討した。
その結果,左室容量と左室駆出率は各群間に差を認めなかったが,「高コレステロール食負荷」群では他の2群に比べ,拡張能の低下が観察された。すなわち,ドプラーイメージング法で計測したE/A比,組織ドプラーイメージング法によるE'/A'比,また収縮時最大速度(S')はいずれも,「高コレステロール負荷」群で有意に低かった(E/A比:p=0.05, E'/A'比:p=0.01, S':p=0.05 vs 他群)。
次にコレステロール濃度を比較すると,「エゼチミブ投与」群では「高コレステロール負荷」群に比べ,血清コレステロール濃度だけでなく心筋中のコレステロール濃度も有意に低かった(血清コレステロール値:1,073mg/dL±539 vs.179mg/dL±81; p<0.001, 心筋中コレステロール値:0.11mg/dL±0.04 vs. 0.07mg/dL±0.02; p=0.05)。
そこでコレステロール濃度と拡張能の関係を検討すると,E'/A'比と血清コレステロール濃度の間に有意(p=0.01)な負の相関(r=−0.63)が認められた。同様にS'も,血清コレステロールと有意な(p=0.04)負の相関(r=−0.39)を認めた。また心筋中コレステロール濃度とS'間に有意な負の相関が認められた(p=0.01,r=−0.82)。
これらの結果を踏まえ,「高コレステロール食負荷により,拡張能のみならず収縮能の低下が観察された。また,拡張能・収縮能とも血清や組織コレステロール値と逆相関を示し,エゼチミブの投与によって血清および心筋中のコレステロール値の有意な低下がみられたことから,エゼチミブが心保護的に作用する可能性がある」とRubinstein氏は結論した。
P2132
High-density lipoprotein cholesterol, low-density lipoprotein cholesterol, and major cardiovascular events among patients with coronary heart disease in the Scandinavian simvastatin survival study
Q. Zhang氏,Merck & Co., Inc(米国)
2次予防におけるHDL-Cの重要性:4Sスタディ事後解析
■LDL-C≧100mg/dLでは低HDL-Cはリスクとなる可能性
対象となったのは,4Sスタディに参加した冠動脈疾患の既往を有する4,444例で,試験開始後1年間に主要冠動脈イベントを発症しなかった4,197例のうち,シンバスタチン群に割り付けられていた2,069例。その時点でLDLコレステロール(LDL-C)「100mg/dL未満」に到達できていた1,450例と,未到達であった619例に分け,主要冠動脈イベントにHDLコレステロール(HDL-C)値が与える影響を検討した。
低HDL-C血症の基準値を男性で「40mg/dL未満」,女性では「50mg/dL未満」とすると,「LDL-C<100mg/dL」群では低HDL-C血症による主要冠動脈イベントハザード比に有意な増加はみられなかったが,「LDL-C≧100mg/dL」群のみで検討すると1.5(95%信頼区間:1.2〜1.8)と有意に増加していた(試験開始時の年齢,性別,高血圧,糖尿病,心筋梗塞既往,喫煙および開始1年後のLDL-C値,トリグリセライド値で補正後)。なお,「LDL-C<100mg/dL」未到達群は到達群に比べ心筋梗塞既往が多く(81.7% vs 75.8%,p<0.05),また「低HDL-C血症」患者の割合も有意に高かった(37.2% vs 27.0%,p<0.05)。一方,試験開始時,すでに高血圧を持っていた患者は到達群で有意に多かった(29.9% vs 25.1%,p<0.05)。
次に「低HDL-C血症による主要冠動脈イベントへの影響」の感度を調べるため,LDL-C130mg/dLの上下で比較して検討した。すると意外なことに,LDL-C≧130mg/dL群(566例)では「低HDL-C血症」による有意なリスク増加は認められなかった(ハザード比:1.1,95%信頼区間:0.8〜1.4)。一方,LDL-C<130mg/dL群(1,503例)では「低HDL-C血症」により主要冠動脈イベントのハザード比は1.7(95%信頼区間:1.3〜2.1)と有意に増加していた。
LDL-C≧130mg/dL群で低HDL-C血症がリスクとならなかった要因としてZhang氏は,例数の不十分さを挙げていた。
P2136
Plasma triglycerides and cardiovascular events in the IDEAL and TNT trials of statins in patients with coronary heart disease
O. Faergeman氏,Aarhus University Hospital(デンマーク)
IDEAL: Incremental Decrease in End Points Through Aggressive Lipid Lowering; simvastatin 20-40mg vs. atorvastatin 80mg/day
TNT: Treat to New Targets; atorvastatin 10mg vs.80mg/day
TGは冠動脈疾患2次予防の臨床マーカーとなり得る:
IDEAL,TNT事後解析
■他の危険因子で補正後はTGと心血管イベントとの相関は消失 本解析では,IDEAL参加8,888例とTNT参加10,001例のデータを解析対象とした。試験開始後1年間に心血管イベントが発生せず,かつ血清脂質データが得られたIDEALスタディの7,232例とTNT 8,547例を試験開始1年後のTG値150mg/dLの上下で二分し,その後のイベント発生率とリスクを検討した。
まず,TG値を150mg/dL以上群(4,661例)と150mg/dL未満群(11,118例)で単純に心血管イベント発生率を比較すると,150mg/dL未満群でイベント発生率は著明に低値であった(検定なし)。
次に年齢と性別で補正後,TG値で5分して心血管イベントのハザード比を比較したところ,最低位群に比べ,それ以外の群では有意にリスクが増加していた。また心血管イベントリスクはTG値1標準偏差の増加により有意に増大していた(p<0.001)。
しかし年齢・性別に加え,HDLコレステロール,アポB/アポA1比,試験開始時血糖値,BMI,高血圧,糖尿病と喫煙で補正後は,TG値5分位間の心血管イベント発生リスクに有意差はなく,TG値1標準偏差の増加によるリスク増加もみられなくなった。LDL-Cが100mg/mL未満まで低下していた例でのみ検討しても同様で,交絡因子補正後,TG値は心血管イベントのリスクとはなっていなかった。
以上の結果を踏まえ,「補正後はTG値と心血管イベントの相関は消失するものの,臨床上のマーカーとして冠動脈イベント2次予防にTG値が重要であることは明らかになった。一方,TG値のみを低下させてもリスク低下は得られない可能性がある」とFaergeman氏は結論した。
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