44th Annual Meeting of the European Association for the Study of Diabetes


糖尿病患者の脂質管理におけるエゼチミブの重要性
スタチン単独に比べ2型糖尿病患者の脂質の『質』をエゼチミブ併用が有意に改善
「FPG≧100mg/dL」で心血管イベントリスクは増加:MEGAスタディ
脂肪肝やメタボリックシンドロームではsmall, dense LDLが増加
食後脂質異常症はアポB100と相関するが,アポB48とは相関しない
脂肪細胞の炎症反応はグルコースよりもFFAにより惹起される
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Satellite Symposium
Managing patients with type 2 diabetes to new standards of cardiovascular care

糖尿病患者の脂質管理におけるエゼチミブの重要性

■糖尿病患者にはどのような介入が必要か
L. Ryden氏,Karolinska Institutet(スウェーデン)
 Karolinska Institutet(スウェーデン)のL. Ryden氏は,糖尿病と冠動脈疾患の関係,ならびに血糖コントロールが予後に及ぼす影響を概観した。
 欧州25カ国110施設が参加した4,961例を対象とする横断的調査によれば,糖代謝が「正常」であったのは29%のみで,71%では糖代謝異常が認められた。糖代謝異常は冠動脈疾患患者で多くみられるだけでなく,その予後増悪因子でもある。糖尿病患者の心血管を含んだ予後改善には集学的治療の有用性がSteno-2で示されていたが,近年,厳格な血糖コントロール,あるいは糖代謝異常に対する早期からの介入も心血管予後改善に有用であることが明らかになってきた。

■糖尿病患者の脂質代謝への介入に足りなかったもの
E. Bruckert氏,Hôpital Pitié-Salpêtrière(フランス)
 Hôpital Pitié-Salpêtrière(フランス)のE. Bruckert氏は,2型糖尿病患者における脂質管理の重要性について解説した。
 スタチンを用いた過去の大規模試験をまとめると,非糖尿病患者だけでなく糖尿病患者でも,到達LDLコレステロール(LDL-C)値が低いほど冠動脈イベント発生率は低い。またUKPDSの解析からも,糖尿病患者における冠動脈イベントの最大のリスク因子はLDL-Cであり,HbA1cはHDLコレステロールに次ぐ,3番目のリスクでしかない。また糖尿病患者では動脈硬化惹起性の高いsmall, dense LDL(sLDL)の割合が増加するため,見かけのLDL-C目標値を非糖尿病例よりも低く設定するのが合理的と考えられ,米国NCEP-ATPIII基準の改定版では糖尿病患者のLDL-C目標値を「70mg/dL未満」としうるとしている。
 実際に糖尿病患者でLDL-C値をおよそ70mg/dLまで低下させた試験としてCARDSがあるが,プラセボ群に比べ主要冠動脈イベントは37%減少していた。TNT試験のサブ解析で糖尿病合併例のみを比較した結果でも同様に,通常のLDL-C低下治療に比べ,80mg/dL未満まで低下させた積極的治療群ではそうでない群と比べて主要心血管イベントが25%,有意に減少していた。以上を踏まえて「糖尿病患者のLDL-Cは全員,70mg/dL未満まで低下させるべきである」とBruckert氏は述べた。しかしながら,糖尿病患者でLDL-Cをどのように70mg/dLまで低下させるかという点が問題となる。食事療法,運動療法が重要なのは言うまでもないが,薬物療法が必要となるのは必至である。
 以上の知見を踏まえてBruckert氏は「一般的な糖尿病患者の平均LDL-C値は145mg/dLである。生活習慣の改善だけでは135mg/dL程度まで低下させるのがやっとだろう。ここでスタチンを用いればLDL-Cは100mg/dL未満まで低下させられるが,せいぜい80mg/dLが限界と思われる。70mg/dL未満を達成するにはもう一手が必要となる」と結論した。

■エゼチミブが必要となる患者とは
A. Corsini氏,Luigi Sacco University of Milan(イタリア)
 「スタチンの反応性に対する個体差」についてLuigi Sacco University of Milan(イタリア)のA. Corsini氏が解説を加えた。同氏によると,この「個体差」をもたらしているのは,体内のコレステロール合成・吸収のバランスであるという。
 スタチンは肝におけるコレステロール合成を抑制するため,コレステロール吸収が亢進している患者ではその低下作用はさほど強く現れない。その典型の1つが糖尿病患者である。小腸からのコレステロール吸収はNPC1L1という輸送担体を介して行われるが,糖尿病患者ではNPC1L1の発現が亢進し,逆にコレステロールを小腸上皮細胞から小腸内腔へ戻すABC(ATP-binding cassette transporter)G5とG8の発現が低下しているためである。小腸からのコレステロール吸収を抑制する薬剤としてエゼチミブがある。エゼチミブは前出のNPC1L1阻害というまったく新しい機序でコレステロールの吸収を抑制する。
 このことから,エゼチミブは糖尿病患者など,コレステロール吸収が亢進している病態で特に有効と考えられるが,加えて,スタチン服用患者への追加併用でもLDL-C低下作用の著明な増強をもたらす。これは,スタチン服用の結果生じる「代償的な吸収亢進」を抑制するためである。つまり,スタチンがコレステロール合成を阻害することにより,代償的に小腸からのコレステロール吸収が亢進する。この代償的コレステロール吸収亢進により,スタチンによるコレステロール低下作用は一部相殺されてしまうが,エゼチミブ併用はこの相殺作用を抑制しうるため,「スタチン+エゼチミブ」併用は,スタチンの単剤高用量使用よりも強力なLDL-C低下作用を示す。
 以上のデータより,「糖尿病患者に対してはエゼチミブの単独投与,もしくはスタチンとの併用が有用だと強く示唆されている」とCorsini氏は結論した。

■集積しつつあるエゼチミブのエビデンス
M. Farnier氏,Point Médical, dijon(フランス)
 Point Médical, dijon(フランス)のM. Farnier氏は2型糖尿病を中心に,エゼチミブを用いた大規模試験について解説した。
 まず最近報告された試験としてVYTALが挙げられた。2型糖尿病1,125例をエゼチミブ(10mg/日)+シンバスタチン(20 or 40mg/日)群とアトルバスタチン(10, 20 or 40mg/日)群の5群に無作為化し6週間追跡した。その結果,エゼチミブ(10mg/日)+シンバスタチン(20mg/日)群のLDL-C低下率は,アトルバスタチン(10 or 20mg/日)群よりも有意に大きく,アトルバスタチン(40mg/日)群と同等であった。アトルバスタチン(10mg/日)を服用していた2型糖尿病832例を,アトルバスタチン(20mg/日)群,またはエゼチミブ(10mg/日)+シンバスタチン(20 or 40mg/日)群に割り付け6週間追跡した試験でも同様に,LDL-C低下作用はエゼチミブ併用群で有意に大きかった。
 臨床イベントを比較した試験としては,糖尿病を対象としたものではないが,先ごろ開催された欧州心臓病学会(ESC)において発表され,大きな注目を集めたSEASが紹介された。本試験の対象は,無症候性の大動脈弁狭窄症1,873例。エゼチミブ(10mg/日)+シンバスタチン(40mg/日)群とプラセボ群に無作為化され,中央値で52.2カ月間追跡された。1次評価項目である主要心血管イベント発生には有意差はみられなかったが,「虚血性イベント」はエゼチミブ+シンバスタチン群で有意に減少していた(15.7% vs 20.1%,ハザード比:0.78,p=0.02)。「虚血性イベント」の内訳は心血管死,非致死性心筋梗塞,冠動脈バイパス術施行,経皮的冠動脈形成術施行,不安定狭心症による入院,非出血性脳卒中である。
 一方,「大動脈弁関連の評価項目」である「大動脈弁置換術施行,弁狭窄進展による心不全発症,心血管死」では有意差はみられず(ハザード比:0.97,p=0.73),エゼチミブ+シンバスタチン群の安全性が確認された。
 SEASでは,がんの発生がエゼチミブ+シンバスタチン群で有意に多かったことを受け,現在進行中のSEASより大規模なSHARPとIMPROVE-ITの20,617例のデータを安全性モニタリング委員会が解析したところ,エゼチミブ+シンバスタチン群のがん発生率は1.7%/年で,対照群の1.8%/年と同等であった。このことから,エゼチミブ+シンバスタチン群により,がんの発生が増加することはないと確認された。
 「有効性・安全性いずれに関しても,SHARPとIMPROVE-ITの結果により,さらに信頼性の高い評価が可能となる」とFarnier氏は結論した。
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854:
Effect of ezetimibe/simvastatin (E/S) versus atorvastatin (A) on lipoprotein subclasses in type 2 diabetes (T2DM) patients with hypercholesterolemia (HC)
J.E. Tomassini氏,Merck & Co., Inc.(米国)

スタチン単独に比べ2型糖尿病患者の脂質の『質』を
エゼチミブ併用が有意に改善

■脂質分画サブクラスへの影響を検討
 対象は2型糖尿病を合併する高コレステロール血症患者1,229例。ただしHbA1cが8.5%以上の血糖コントロール不良例と,トリグリセライド(TG)400mg/dL超の患者は除外されている。またLDLコレステロール(LDL-C)が100mg/dL未満にコントロールされている患者も除いた。
 本解析は,「エゼチミブ+シンバスタチン」と「アトルバスタチン単独」を比較した2つのプロスペクティブ試験をプールした解析である。いずれの試験も4週間のプラセボ服用導入期間後,エゼチミブ(10mg/日)+シンバスタチン(10,20 or 40mg/日)群,アトルバスタチン(10,20 or 40mg/日)群のいずれかに割り付けられ,6週間追跡された。試験開始時のLDL-C濃度は各群おおむね120mg/dL,HDLコレステロールは45mg/dLであった。
 6週間後,LDL-C低下率はエゼチミブ+シンバスタチン20mg群では47.4%。エゼチミブ+シンバスタチン40mg群では52.8%であり,アトルバスタチン単独群(10mg:32.8%,20mg:40.4%,40mg:46.6%)と比較してエゼチミブ併用群で有意に大きかった(いずれもp<0.001)。
 同様に,動脈硬化惹起性の「TG-richなリポ蛋白」の指標であるレムナント様リポ蛋白(RLP)コレステロールの低下率も,エゼチミブ併用2群で有意に大きかった(エゼチミブ+シンバスタチン20mg:55.3%,エゼチミブ+シンバスタチン40mg:58.3% vs アトルバスタチン10mg:40.0%,20mg:46.2%,40mg:50.9%,p<0.001)。
 また,末梢からのコレステロール逆転送を担うHDL3分画も,アトルバスタチン群では不変(10mg,20mg)あるいは減少(40mg:−2.5%)していたのに対し,エゼチミブ併用群では2.7%(シンバスタチン20mg併用),2.6%(同40mg併用)と,いずれも増加していた。
 以上を踏まえ,「エゼチミブ+シンバスタチン併用は,単に血清脂質の『量』を低下させるだけでなく,動脈硬化の抑制に好ましい脂質分画へと脂質プロファイルの『質』的シフトをもたらす」とTomassini氏は結論した。
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413:
Cardiovascular risk increases sharply in hypercholesterolaemic patients with fasting plasma glucose of 95-110mg/dL, but not in the patients treated by low-dose pravastatin
蔵田 英明氏, 東京慈恵会医科大学

「FPG≧100mg/dL」で心血管イベントリスクは増加:
MEGAスタディ

■空腹時血糖と各種イベント発生率・治療効果の関係を検討
 MEGAスタディは,脳・心血管イベント既往のない日本人の高コレステロール血症患者7,832例を,「食事療法」群と「食事療法+スタチン(プラバスタチン)」併用群に無作為化比較した試験である。今回は試験開始時に空腹時血糖値(FPG)が得られた6,673例のデータが解析された。
 6,673例の平均年齢は58.3歳,67.7%が女性で,平均BMIは23.8kg/m2,15.4%が喫煙者であった。合併症は高血圧を41.8%に,糖尿病を24.1%に認めた。LDLコレステロールの平均値は156.8mg/dL,HDLコレステロールは57.4mg/dL,トリグリセライドは127mg/dLであった。
 まず,脳・心血管イベントとFPGの関係をみると,FPG「<100mg/dL」であった群に比べ,「100〜126mg/dL未満」群(ハザード比:1.39,95%信頼区間:1.03〜1.87),「126mg/dL以上」群(ハザード比:2.69,95%信頼区間:1.98〜3.64)では有意にリスクが増加していた。しかし冠動脈疾患と脳卒中を分けて検討すると,冠動脈疾患はFPGの上昇にともないリスクが増加していたが,脳卒中に関しては「Jカーブ状」にFPGが90mg/dLを下回るとリスクが増加する傾向がみられた。
 次に「食事療法」群と「スタチン併用」群に分けて検討すると,「食事療法」群ではFPGが95〜110mg/dLの範囲から脳・心血管イベントが急激に増えていたが,「スタチン併用」群では100mg/dLを超えた時点から緩やかに増加するにとどまっていた。また血糖値の高低を問わず,「食事療法」群よりも「スタチン併用」群で心血管イベント発生率は低かった。
 以上の結果から蔵田氏は,「高血糖により脳・心血管イベントの発生は増加するが,スタチンによる脂質低下療法は,血糖の上昇によるリスクの増加を低下させる可能性がある」と締めくくった。
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744:
Small, dense LDL-cholesterol in metabolic syndrome and fatty liver
松本知子氏,東邦大学

脂肪肝やメタボリックシンドロームではsmall, dense LDLが増加

■sLDLの割合と相関があるのはTG,コレステロール・エステル,脂肪肝
 今回は2005年4月〜2007年12月に受診した207例のデータを,メタボリックシンドロームと脂肪肝の有無により4グループに分け,レトロスペクティブに比較した。
 まず,メタボリックシンドローム群と非メタボリックシンドローム群で比較すると,メタボリックシンドローム群では非メタボリックシンドローム群に比べ,small, dense LDL(sLDL)濃度(p=0.004),sLDL/LDL比(p=0.0006)のいずれも有意に高かった。同様に,脂肪肝群では非脂肪肝群に比べ,sLDL濃度(p=0.0006),sLDL/LDL比(p<0.0001)とも有意に高かった。
 また,全例での検討で血中トリグリセライド(TG)濃度とsLDL濃度(相関係数r=0.36,p<0.0001),sLDL/LDL比(r=0.51,p<0.0001)との間にそれぞれ有意な正の相関が認められたため,メタボリックシンドローム,脂肪肝の有無別にこれらの相関を比較した。その結果,sLDLとの相関係数はメタボリックシンドローム群がr=0.32,非メタボリックシンドローム群でr=0.36,sLDL/LDL比ではメタボリックシンドローム群がr=0.52,非メタボリックシンドローム群がr=0.40であり,メタボリックシンドロームの有無を問わず,sLDL濃度およびsLDL/LDL比とTG濃度の強い相関が認められた。脂肪肝の有無で分けて検討しても同様であったが,TG濃度とsLDL/LDL比の相関は,メタボリックシンドローム群では非メタボリックシンドローム群より,脂肪肝群では非脂肪肝群よりも強かった。
 さらに重回帰分析を行い,sLDL濃度とsLDL/LDL比の決定因子を求めたところ,TG濃度,コレステロール・エステル濃度と脂肪肝が有意な因子であったが,相関が最も強かったのは,sLDL,sLDL/LDL比ともにTG濃度であった。
 これらより松本氏は「特に脂肪肝ではTGに富んだVLDLの産生が亢進し,その結果,血中のsLDL濃度が増加すると考えられる」と結論した。
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751:
VLDL and cholesterol remnant levels following 3 consecutive meals are associated with liver fat in men with type 2 diabetes and men with the metabolic syndrome
M.E. Tushuizen氏,VU University Medical Centre(オランダ)

食後脂質異常症はアポB100と相関するが,アポB48とは相関しない

■2型糖尿病,糖代謝正常のメタボリックシンドロームで検討
 対象は,2型糖尿病14例,ならびに高血糖のないメタボリックシンドローム群14例と,年齢をマッチさせた健康対照群14例である。メタボリックシンドロームの定義は米国NCEP ATP III基準に従った。全例,40〜65歳の男性で,脂質低下薬服用者等は除外した。
 背景因子を比較すると,2型糖尿病群では血糖コントロール指標,BMI,MRスペクトロスコピーで評価した肝脂肪量(23.1% vs 10.8% [メタボリックシンドローム群] ,6.4% [対照群] ,p=0.006)が有意に高かった 。またトリグリセライド(TG)値は,2型糖尿病群,メタボリックシンドローム群とも186mg/dLで,対照群の89mg/dLに比べ有意に高かった(p=0.002)。
 全例が朝9時,午後1時と7時に高脂肪食を摂食し,脂質代謝の変化を調べた。その結果,2型糖尿病群とメタボリックシンドローム群では対照群に比べ血中TG値が,初回摂食後から24時間にわたり高かった。レムナント様リポ蛋白(RLP)コレステロール,アポB100値も同様の傾向を認めた。
 次に,肝脂肪量と血清脂質の相関をみたところ,TG,RLPコレステロールとアポB100値(AUCの対数値)との間に有意な正の相関が認められた。一方,アポB48と肝脂肪量の相関はみられなかった。
 最後にTushuizen氏は,「3回の食事から24時間にわたり,肝脂肪量に加えて,小腸を経由する機序などから食後のリポ蛋白の状態が決定される」と結論した。
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832:
The role of hyperglycaemia and hyperlipidaemia in inflammation in human abdominal subcutaneous adipose tissue and isolated adipocyte
E. M. Y. Youssef氏,University of Warwick (イギリス)

脂肪細胞の炎症反応はグルコースよりもFFAにより惹起される

■正常体重女性からの脂肪細胞サンプルで検討
 今回検討されたのは,慢性的高血糖状態と遊離脂肪酸(FFA)が脂肪細胞の炎症反応に及ぼす影響である。腹部脂肪吸引を行った女性6名から得られた脂肪組織6サンプルが用いられた。6名の平均年齢は45歳,BMI平均値は21.9kg/m2であった。
 脂肪組織と,その脂肪細胞より単離した腹部皮下脂肪細胞をそれぞれ48時間,低グルコース(5.6mmol/L),または高グルコース(17.5mmol/L)溶液で培養した。さらに,高濃度FFA溶液または低濃度FFA溶液をグルコース溶液に添加する群も作成し,全6群で比較した。その結果,まずNF-κB発現は,脂肪細胞,脂肪組織ともに,グルコース濃度に関係なく「高濃度FFA」群で有意に増加していた。また,脂肪細胞では「低濃度グルコース+低濃度FFA」群でもNF-κB発現が有意に増加していた。一方,脂肪細胞では「高濃度FFA」群において,IKKβの発現が有意に増加していた(脂肪組織では変化なし)。
 次に,TNF-α,IL-6の発現をみると,グルコース濃度に関係なく,「高濃度FFA」群では脂肪細胞,脂肪組織ともTNF-αとIL-6発現が有意に増加していた。
 「脂肪細胞,脂肪組織における炎症誘発には,糖代謝異常よりも脂質代謝異常が大きな役割を果たしている」とYoussef氏は結論した。
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