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Scientific Synposium
Advancements for More Effective Management of Hypercholesterolemia in Diabetic Patients
糖尿病を合併した高コレステロール血症に対するより効果的な治療に向けて
■糖尿病例におけるコレステロール低下療法のエビデンスと問題点
University of Toronto, Canada Lawrence Leiter氏
糖尿病に対するスタチンの有用性を初めて示したのはHPSだったが,その後,糖尿病例のみを対象としたCARDS,あるいは積極的LDLコレステロール(LDL-C)低下の有用性を示したREVERSALやPROVE-IT,TNTなどのサブ解析が報告され,糖尿病例に対するスタチンを用いた積極的LDL-C低下の有用性はほぼ確立された。
しかしながら,現実には糖尿病例の脂質コントロールは不十分である。50カ国2,000名以上の医師が参加した実態調査AUDITの結果では,LDL-Cが目標値に達している糖尿病患者は54%であることを同氏は指摘した。
■LDLコレステロール目標値の達成には異なる機序を有する薬剤の併用が必須
University of Milan, Italy Alberico Catapano氏
現在のエビデンスに照らせば,LDL-Cが50%低下すればプラークは退縮する。高リスク例では,LDL-Cを70mg/dLまで低下させることにより,100mg/dLまで低下させる以上のイベント減少が得られることが示されている。2004年のNCEP ATPの更新はこのようなエビデンスに則したものである。
しかし,いかに強力なLDL-C低下薬であっても,現実には単剤で上記のようなLDL-C目標値が得られる患者は少なく,他剤併用が必要となる場合が多い。併用の基本は異なる作用機序の組み合わせであるため,コレステロール合成を抑制するスタチンとならば,コレステロール吸収を抑制する薬剤が最適であると考える。
■エゼチミブとスタチンの併用は,より高いLDLコレステロール目標値達成率をもたらす
UT Southwestern Health Science Center, U. S. A. Stephen Turley氏
小腸から吸収されるコレステロールのうち食事由来のものはおよそ3分の1であり,3分の2は胆汁からの再吸収である。小腸での吸収が亢進すると肝臓のコレステロールプールが増加し,LDL受容体のダウンレギュレーションなどにより高コレステロール血症となる。
コレステロール吸収阻害剤エゼチミブは小腸からのコレステロール吸収阻害により,スタチンに併用するとさらに25%のLDL-C低下が得られる。スタチン+エゼチミブ併用によるコレステロール合成・吸収の抑制は,スタチン単独による合成抑制のみと異なり,より効果的なLDL-C低下と高いLDL-C目標値達成率をもたらすため,大いに期待できるという。
■スタチン+エゼチミブ併用療法は糖尿病,メタボリックシンドローム例にも有効
Point Medical Clinic, France Michel Farnier氏
EASE試験のサブ解析では,糖尿病あるいはメタボリックシンドローム(MS)合併高コレステロール血症患者において,スタチン単独に比べエゼチミブ併用は,LDL-C目標値達成率を有意に改善した。
またVYVA研究において,冠動脈疾患ないし同等のリスクを有する患者における,LDL-C目標値70mg/dLの達成率は,アトルバスタチン単独よりも同用量のシンバスタチン+エゼチミブ10mg併用のほうが有意に高く,またアポB/アポA1比,non HDL-C/HDL-C比の改善効果もエゼチミブ群で有意に大きかった。
■エゼチミブを用いた各種大規模臨床試験が進行中
Lady Davis Carmel Medical Center, Israel Basil Lewis氏
ヘテロ型家族性高コレステロール血症例におけるエゼチミブ+シンバスタチン併用とシンバスタチン単独の頸動脈壁厚退縮効果を比較するのがENHANCE(Ezetimibe and simvastatiN in Hypercholesterolemia enhANces atherosClerosis rEgression)である。
またSEAS(Simvastatin + Ezetimibe in Aortic Stenosis)では,大動脈狭窄症におけるエゼチミブ+シンバスタチン併用による動脈硬化性疾患発生抑制作用がプラセボと比較検討される。
SHARP(Study of Heart And Renal Protection)では,慢性腎疾患あるいは透析導入例に対するエゼチミブ+シンバスタチン併用が動脈硬化性疾患発生に与える影響が検討される。
さらに,急性冠症候群(ACS)患者においてエゼチミブ+シンバスタチン併用とシンバスタチン単剤の比較が,IMPROVE-IT(IMProved Reduction of Outcomes: Vytorin Efficacy International Trial)で検討される。
現在の"The lower, the better"から"The lowest, the best"へのパラダイム変換が生ずるか,非常に興味深い試験であるという。
EASD/ESC Symposium
Cholesterol Lowering and Diabetes: Where Do We Stand?
糖尿病に対する脂質管理は積極的に行われるべきか
■ASCOT-LLA糖尿病合併例におけるサブ解析結果を発表
Imperial College London, U. K. Peter Server氏
ASCOT-LLAでは2,532例の2型糖尿病患者が事前に層別化されていた。糖尿病合併例のみで「全脳・心血管イベント+インターベンション」の発生を比較すると,アトルバスタチン10mg/日群でプラセボ群に比べ相対的に23%の有意な減少が認められた(相対リスク:0.77,95%信頼区間:0.61〜0.98, p=0.036)。また,冠動脈イベント,脳卒中のいずれも,糖尿病合併の有無を問わず,アトルバスタチン群で減少する傾向が示された。
■糖尿病合併例においても積極的な脂質低下療法が有効〜TNTサブ解析
State University of New York, U. S. A. John.C LaRosa氏
冠動脈疾患患者を対象としたTNTでは,アトルバスタチン10mg/日をオープンラベルで8週間服用した後,アトルバスタチン10mg/日群または80mg/日群に無作為化され,4.9年間(中央値)追跡された。本Post-hoc解析では,スクリーニング時に糖尿病と既に診断されていた1,501例(10mg/日群753例,80mg/日群748例)におけるイベント発生率が比較された。
糖尿病例におけるLDLコレステロール(LDL-C)の推移は全例での解析とほぼ同様で,80mg/日群では最終的に76.7mg/dLまで低下したが,10mg/日群では98.6mg/dLであり無作為化時点の値とほぼ同等だった。またTGも80mg/日群では145.1mg/dLまで低下したが,10mg/日群の到達値は177.9mg/dLであり,無作為化以降ほとんど低下しなかった。HDLコレステロール(HDL-C)はいずれの群においてもほとんど変化しなかった。
その結果,1次評価項目である「主要脳・心血管イベント」発生リスクは,80mg/日群で25%低下し(RR:0.7595%信頼区間:0.58〜0.97),全例で検討したリスク低下率22%よりも高値となった。
1次評価項目の内訳を検討すると,脳血管障害の減少が著明であった。全例を対象とした解析では80mg/日群において相対的に23%の有意な減少が認められた脳血管障害だが,糖尿病合併例のみで比較すると31%(RR:0.6995%信頼区間:0.48〜0.98, p=0.026),の有意なリスク減少が認められた。
「このサブ解析の結果から,糖尿病患者全例に対し,積極的な脂質低下治療を行う必要性がある」とLaRosa氏は結論した。
■糖尿病患者へのフェノフィブラートの予後改善効果を検討したFIELDSに期待
Heart Research Institute, Australia Philip Barter氏
フィブラート製剤による予後改善効果を検討したプラセボ対照の大規模試験は,これまで4件報告されている。WHO研究,Helsinki Heart Study,VA-HIT,BIPである。それらから明らかになったフィブラート製剤の特徴としては,「肥満」,「高トリグリセリド」,「低HDL-C」例で動脈硬化性疾患発生の著明な減少が期待できるという点がある。また,メタボリックシンドローム,耐糖能異常例における冠動脈死の有意な減少効果も期待できるがこれらはPost-hoc解析が示唆するところであり,前向き大規模介入試験の結果を待たねばならないという。本年11月に開催されるAHAでは,2型糖尿病例に対するフェノフィブラートの予後への影響をプラセボと比較した介入試験FIELDSの結果が発表される予定である。
■糖尿病患者は全例スタチンを服用すべきか
University of Texas, U. S. A. Steven M. Haffner氏
同氏の答えは「ほぼ全例で必要となる」というものである。糖尿病患者は心血管イベントの既往者と同等の高リスク患者であり,血糖コントロールのみでは動脈硬化性疾患発生を抑制できないとの考えに基づく。さらに,HPSやTNTなど数々のエビデンスを示し,糖尿病患者に対する積極的脂質低下療法の有用性が示されているため,スタチンを避けるべき絶対的な理由がなければスタチンを服用させるべきだとの考えを示した。スタチンを避けるべき患者としては,「妊婦」,「若年の1型糖尿病例」,「透析導入となった糖尿病性腎症例」が挙げられた。透析に関しては4D試験において,アトルバスタチンによる積極的脂質低下の有用性が認められなかったためである。
また今後は,より積極的脂質低下を図るため,スタチンと他剤の併用の検討も必要である。現在,スタチン+フェノフィブラート併用を糖尿病例で検討する大規模試験ACCORDが進行中だが,LDL-C低下に重点を置くならばスタチン+エゼチミブ併用も効果的であるとHaffner氏は指摘した。
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Effect of Ezetimibe/Simvastatin versus Simvastatin Monotherapy on the Lipid Profile of Hypercholesterolemic Patients with Metabolic Syndrome
Rikshospitalet, Norway Leiv Ose氏
メタボリックシンドローム合併高コレステロール血症患者においてコレステロール吸収阻害剤とスタチンの併用は有用
■エゼチミブの併用により各種脂質パラメーターが有意に改善
Ose氏らが解析したのは,さまざまな用量のシンバスタチン単独と,同用量のシンバスタチン+エゼチミブ10mg/日を比較した無作為化二重盲検試験で,参加した家族性高コレステロール血症2,985例のうち,メタボリックシンドロームを合併していた918例を対象とした。メタボリックシンドロームは基本的にNCEP ATP IIIの定義に従ったが,腹部肥満の基準に臍周径囲は用いず,BMI 30kg/m2が用いられた。スタチン単独群とエゼチミブ併用群の背景因子は一致していた。
12週間治療後のメタボリックシンドローム合併例における脂質パラメーターを薬剤群で比較すると,まずLDLコレステロール(LDL-C)はスタチン単独群の39%に対し,エゼチミブ併用群では52%と有意に低下していた(p<0.001)。またLDL-C目標値達成率もエゼチミブ併用群では78%で,スタチン単独(47%)群の達成率を有意に凌いだ(p<0.001)。
同様に,non HDLコレステロール,アポB,トリグリセリド低下率,HDLコレステロール増加率は,いずれもエゼチミブ併用群で有意に大きかった。 また,CRP値については,スタチン単独群では17%の低下を認めたのに対し,エゼチミブ併用群では36%低下していた(p<0.001 vs スタチン単独群)。
有害事象発現率はスタチン単独群66%,エゼチミブ併用群62%,うち副作用と考えられたのはスタチン単独群14%,エゼチミブ併用群16%であり,エゼチミブ併用群の安全性はスタチン単独群と同等であった。
「メタボリックシンドローム合併高コレステロール血症において,エゼチミブ+スタチンの併用はスタチン単独よりも有効で,忍容性は同等であった」とOse氏らは結論した。
155
Assessment of Adiponectin Concentration in Patients with Nonalcoholic Fatty Liver Disease
松戸市立病院 鈴木義史氏
NAFLDの背景には低アディポネクチン血症が存在する
■NAFLDでは耐糖能正常例でも血中アディポネクチン濃度が低値を示す
鈴木氏らは,空腹時血糖値が126mg/dL以下であるNAFLD 193例に糖負荷試験を実施し,耐糖能正常群(62例),耐糖能異常(IGT)群(81例)と糖尿病群(50例)の3群に分けた。いずれの群も平均BMIは26kg/m2だった。 まず血中アディポネクチン濃度を正常対照群と比較したところ,NAFLD群ではおよそ半分以下まで減少しており,耐糖能正常群,異常群,糖尿病群のいずれの群でも同様の減少がみとめられた(p<0.0001 vs 対照)。
他のパラメーターとの関係を検討したところ,アディポネクチン濃度はHDLコレステロール値,ならびにインスリン感受性指数と正の相関を示し,ウェスト・ヒップ比,PAI-1濃度とは負の相関を示した。
なお,肥満例を除いた検討において,対照群ではBMIとインスリン感受性との間に正の相関が認められたが,耐糖能正常のNAFLDではこの相関は認められなかった。
鈴木氏はこれらのデータより,NAFLD例で観察される代謝異常の基盤には,低アディポネクチン血症があるのではないかと考察した。
316
Circulating Oxidized Low-density Lipoprotein and its Association with Carotid Intimal Media Thickness in Subjects with Glucose Intolerance
Madras Diabetes Research Foundation, India Raj Deepa氏
頸動脈肥厚は酸化LDLと相関しIGTの段階から進展
■IGT群では耐糖能正常群に比べて血中酸化LDL濃度が有意に高い
CURESは,インド地方都市のChennaiより無作為抽出した46区の住民26,001例を登録した観察研究である。今回対象となった525例は,臨床検査値まで採取した2,350例から無作為に抽出された,「耐糖能正常群」,「IGT群」,「糖尿病群」のそれぞれ175例である。IGTと糖尿病はWHOの定義に従った。
まず,酸化LDL値を検討したところ,耐糖能正常群の血中酸化LDL濃度が26.2U/Lだったのに対し,IGT群では34.3U/Lと有意に上昇していた(p<0.001)。糖尿病群では40.1U/LとIGT群に比べて有意に高値であった(p<0.001)。
また頸動脈内膜中膜厚(IMT)も,耐糖能正常群(0.71mm)に比べIGT群(0.79mm)および糖尿病群(0.85mm)では有意に高値であった。
次に酸化LDLとIMTの関係を見ると,有意な正の相関が認められた(r=0.295,p<0.001)。糖代謝能別に検討すると,耐糖能正常群(r=0.544,p<0.001)とIGT群(r=0.481,p<0.001)では有意な相関が見られたが,糖尿病群ではこのような相関は見られなかった(r=0.027,p=0.704)。しかし,年齢,性別と耐糖能の状態で補正後,多変量解析を行ったところ,酸化LDLとIMTは有意に相関していた(β=0.002,p=0.002)。
「IGTの時点で頸動脈肥厚は進展しており,この進展には酸化LDLが関わっている」とDeepa氏らは結論した。
322
Remaining Risk for Acute Stroke in Patients Treated for Hypertension and Type 2 Diabetes in Primary Care: Skaraborg Hypertension and Diabetes Project
Lund University, Sweden Karin Junga氏
高血圧または糖尿病のプライマリケアを行っても脳卒中の発生リスクは依然高い
■血圧,血糖のみならず,多角的な危険因子管理の改善が重要
年齢,総コレステロール値,喫煙の有無,BMIと余暇の身体活動性を調整後,脳卒中(非致死性・致死性)発生のハザード比を治療群と対照群で比較した。
まず男性では,高血圧治療群において,脳卒中発生リスクは対照群の2.8倍になっていた(95%信頼区間:1.5〜5.3)。また,糖尿病治療群でも,相対リスクは3.3倍と有意に増加していた(同:1.5〜7.0)。高血圧および2型糖尿病の治療を受けていた群では,リスクはさらに増加して4.2倍となった(同:2.1〜8.4)。
女性では高血圧治療のみを受けていた患者の脳卒中発生リスクは有意に増加しなかったが(ハザード比:1.5,95%信頼区間:0.9〜2.8),糖尿病治療のみを受けていた患者(ハザード比:2.9,95%信頼区間:1.5〜5.8),高血圧と糖尿病治療を受けていた患者(ハザード比:2.4,95%信頼区間:1.2〜4.7),では,リスクが有意に増加していた。 この成績を受け,Junga氏は,「糖尿病が高血圧とともに脳卒中の危険因子であることが確認された」とし,治療を受けているにもかかわらず,脳卒中発生リスクが増加していた原因として,Junga氏らは,「プライマリケアにおける危険因子コントロールが不十分だった」との可能性を指摘し,今後のプライマリケアにおいては,多角的な危険因子のより積極的な治療が求められると結論した。
387
Prevalence of the Metabolic Syndrome in Populations of Asian Origin
University of Helsinki, Finland Weiguo Gao氏
アジアにおけるメタボリックシンドロームの実態
■日本人男性のメタボリックシンドロームは高血圧,高TG,低HDL-C血症の順
Gao氏らはDECODA研究の対象例で,糖尿病を認めなかった日本,中国およびインドの男性6,577例と女性7,645例に,NCEP ATPIIIによるメタボリックシンドローム基準を当てはめた。
その結果,メタボリックシンドロームが最も多く認められたのは男女ともインド人で,男性10〜15%,女性5〜30%が該当した。日本人は男女とも最も少なく,有症率は男女ともおよそ5〜10%であった。中国のメタボリックシンドロームの頻度は男性のおよそ10〜15%,女性2〜25%となっていた。
ただし,日本人男性では35〜44歳に占めるメタボリックシンドローム患者の割合が他の年代よりも高く,45〜54歳で最多となるインド,65〜74歳で最多となる中国とは異なる分布を示した。女性はおおむね他国と同様で,65〜75歳における頻度が最も高かった。
次にメタボリックシンドロームの構成要素を見ると,いずれの国においても最多は高血圧で,日本人では男性39.0%,女性34.2%に認められた。日本人男性では次に高トリグリセリド(TG)血症(26.9%)と低HDL-C血症(14.2%)と続き,女性では低HDL-C血症(25.0%),高TG血症(12.7%)の順だった。
日本人における低HDL-C血症の頻度は他国に比べ著しく低値であった。中国人男性では24.3%,インド地方部では31.9%,インド都市部にいたっては63.3%に低HDL-C血症を認め,女性でも順に30.6%,52.4%,76.0%という高頻度だった。
国によりメタボリックシンドロームの病態は異なるが,高血圧がメタボリックシンドロームのもっとも大きな要素だったとGao氏は結論している。
1083
Achievement of New NCEP ATP III LDL-C and Non-HDL-C Goals in Hypertriglyceridemic Patients Receiving Rosuvastatin and Comparator Statins in the MERCURY I, MERCURY II, and STELLAR Trials
Baylor College of Medicine, U. S. A. C. Ballantyne氏
高トリグリセリド血症患者の脂質目標値達成率はストロングスタチンでも50%未満
■高リスク例では脂質管理目標値の達成は半数以下にとどまる
Ballantyne氏らは,ロスバスタチンによる脂質改善作用を他のスタチンと比較した上記3試験より,試験開始時TG値≧200mg/dLであった2,250例において,2004年改訂ATP IIIのLDL-C目標値とnon HDL-C目標値の達成率(合計)を調べた。
ガイドラインのカテゴリーに基づく低リスク(32.1%),中等リスク(16.0%)や中等高度リスク(16.6%)例が比較的多かったSTELLARでは,6週間のロスバスタチン10mg服用による達成率は全体で56.9%,20mgでは71.4%と比較的良好だったが,高リスク(30.8%)と超高リスク(51.1%)患者が多かったMERCURY Iでは,8週間のロスバスタチン10mg服用後の目標値達成率は全体で39.0%だった。また,全対象患者が高リスク以上だったMERCURY IIでは8週間のロスバスタチン20mgによる目標値達成率は46.9%だった。
ただしSTELLARにおけるロスバスタチン20mgの達成率は,アトルバスタチン20mg(42.3%)に比べ有意に高く,同様にMERCURY Iにおけるロスバスタチン10mg,MERCURY IIにおけるロスバスタチン20mgによる達成率は,同用量のアトルバスタチン(それぞれ22.0%,23.5%)よりも有意に高かった。
これらよりBallayntyne氏らは,「高TG血症患者の脂質管理において,ロスバスタチンは他のスタチンよりも有効である」と結論した。
しかしロスバスタチンを用いても,比較的リスクの高い患者ではおよそ50%以上が脂質管理目標値を達成できておらず,スタチンのみによるLDL-C,non HDL-C低下療法の限界も明らかになった。
1145
Prospective Analysis of Vascular Risk Factors in Type 2 Diabetic Patients Participating in a Disease Management Programme (DMP) for Diabetes Mellitus
University of Munich, Germany Wolfgang Piehlmeier氏
コンピュータプログラムによる血糖・血圧・脂質管理は有用
■糖尿病患者の多角的管理におけるITの活用
Piehlmeier氏らが検討したのは,2型糖尿病患者における,疾患管理プログラム「PROSIT®」による「動脈硬化性疾患の危険因子低減」効果である。 PROSITプログラムに参加したドクターには,ガイドラインに基づいた治療ハンドブックが渡される。このハンドブックには,患者教育,糖尿病合併症の早期発見,および高リスク患者の管理に関する推奨が記されている。本ブログラムの特長は,患者のリスクや臨床検査値を3カ月に1度ドクターより回収し,それらのデータをもとにコンピュータがはじき出す「治療結果の評価」と「警告」がドクターおよび患者にフィードバックされる点である。 現時点でPROSITプログラムに参加しているドクターは647人であり,4,872例の患者が登録されている。今回はそのうちの2型糖尿病治療を24カ月以上受けている548例を対象に,治療開始前と治療開始30カ月後の各種危険因子の変化を比較した。
プログラム参加時の患者平均年齢は64.7歳,53%が男性で,糖尿病罹患平均期間は7.5±6.3年間だった。
その結果,血糖,血圧,脂質代謝のいずれも,治療開始30カ月後には有意な改善が認められた。HbA1cは7.8%から7.3%へ,血圧は147/84mmHgから140/80mmHg,総コレステロール,トリグリセリドはそれぞれ221mg/dLから211mg/dL,208mg/dLから183mg/dLに低下した。さらに,腎機能の評価についても,改善効果が認められた。
また,各種危険因子(HbA1c,腎症,血圧,コレステロール値,トリグリセリド値,喫煙,BMI)を重症度によって低・中・高の3段階に分け,それぞれポイントを0,1,2加える動脈硬化性疾患リスクスコアを作成した。治療前と治療開始30カ月後でスコアの合計値を比較すると,スコア5以下の「低リスク」群は30%から46%に増加した。一方で,スコア6〜10の「中等度リスク」群とスコア11以上の高リスク群は,それぞれ61%から50%,9%から4%へと減少した。
以上の結果から,糖尿病患者に対する多角的管理において,ITの活用は有用であり,動脈硬化性疾患の低減が期待できると,Piehlmeier氏らは結論した。
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