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1409-P
Physiological hyperlipidemia increases inflammatory cytokines in healthy males
S. R. Oliver氏, University of California(米国)
血清脂質増加はそれ自体が炎症系を動かす
■脂質の異常そのものが炎症促進系・抗炎症系サイトカインを増加させる
本検討では,健常男性6名(平均年齢28.4±1.9歳,BMI 25.5±1.0)に対し,一晩絶食の上,10%遊離脂肪酸(FFA)溶液を両腕肘正中静脈内に3時間かけて投与した(1.1mL/kg/分)。
その結果,投与終了時には血中FFA濃度だけでなく炎症促進的なTNF-α,IL-1β濃度が有意に上昇したが,その一方,抗炎症作用を有するIL-1raおよびIL-10も有意に増加した。
各物質の相関の検討では,FFA濃度とIL-1β濃度は有意に正の相関を示し,IL-1raとTNF-α,IL-1βの間にも正の相関がみられ,IL-10とTNF-α,IL-1β間も同様であった。
以上の結果から,「脂質異常症自体により,炎症促進系・抗炎症系のサイトカインが増加した。この系を調節しているモジュレーターが明らかになれば治療ターゲットになりえるのではないか」とOliver氏は考察した。
1716-P
Inhibition of NPC1L1 improves liver steatosis and insulin resistance in zucker obese fatty rat
能村光紀氏,東京医科歯科大学
エゼチミブは肥満ラットの脂肪肝とインスリン抵抗性を改善
■エゼチミブは肝臓の線維化を抑制
能村氏は8週齢のZucker肥満ラットをエゼチミブ投与群と対照群に分け,高脂肪餌を4週間投与した。エゼチミブ投与量は平均5mg/kg/日であった。
4週後の結果では,総コレステロール,トリグリセライド(TG),遊離脂肪酸の血中濃度はいずれもエゼチミブ投与群で有意に低値を示した(p値は順に<0.001,<0.05,<0.001)。TGはカイロミクロン,VLDL,LDL,HDLいずれの分画でもエゼチミブ投与群で有意(p値は順に <0.005,<0.005,<0.05,<0.05)に減少していた。
さらに,高脂肪餌負荷前に比べ対照群では著明に増加していた肝細胞線維化(sirius red陽性部位)がエゼチミブ投与群で対照群の半分以下,高脂肪餌負荷前近くまで抑制されていた(p<0.01 vs 対照群)。同時にエゼチミブ投与群では,平滑筋アクチンとTGF-βの発現が有意に抑制されていたことから,エゼチミブの脂肪肝抑制作用が示唆された。
またエゼチミブ投与群では,oil red O染色陽性部が対照群に比べ減少しており,肝組織含有TG量,コレステロール量を調べても,エゼチミブ投与群では対照群に比べ有意(p<0.01)に抑制されていた。
このような脂肪肝抑制作用とともに,エゼチミブ投与群では,腹腔内ブドウ糖負荷2時間後の血糖値,インスリン濃度とも対照群に比べ有意に低値となっていたことから,エゼチミブは肝インスリン抵抗性を改善すると考えられた。
以上の結果を踏まえ,「NPC1L1阻害はZucker肥満ラットにおいて,脂質代謝を改善するのみならず,脂肪肝とインスリン抵抗性を改善したことから,メタボリックシンドローム治療に有用である可能性も出てきた」と能村氏は結論した。
564-P
Cholesterol absorption inhibitor ezetimibe reversed dyslipidemia, liver steatosis and hepatic insulin resistance in mice fed a high-fat diet
村岡知則氏, 横浜市立大学
エゼチミブは脂肪肝と肝臓におけるインスリン抵抗性を改善
■肝重量・GPT・肝での糖産生が有意に低下
近年,小腸コレステロールトランスポーター阻害剤エゼチミブの脂肪肝抑制作用およびインスリン抵抗性改善作用を示唆するデータが報告されている。本研究ではエゼチミブの糖・脂質代謝,肝機能および脂肪蓄積に対する影響をマウスにおいて検討した。
8週齢の雄性マウスを対象に,通常餌(Chow)投与群,Chow+エゼチミブ投与群,高脂肪餌投与群と高脂肪餌+エゼチミブ投与群に分け,12週間追跡した。エゼチミブは10週目から2週間追加投与とした。
その結果,Chow群,高脂肪餌群ともに,エゼチミブ追加投与による体重,脂肪量の有意な変動はみられなかった。総コレステロール,LDLコレステロール(LDL-C),トリグリセライド(TG)はいずれも,高脂肪餌群においてエゼチミブ投与による有意な低下が認められた(p<0.05)。
また脂質代謝においては,LDL-Cのなかでもsmall,dense LDLに一致する小さい分画がエゼチミブ投与によって有意に減少していた。 肝臓に対する影響では,高脂肪餌群ではエゼチミブ投与により肝重量およびGPTの有意な低下が認められ,病理組織学的にも,エゼチミブ投与群では脂肪沈着抑制がみられた。高脂肪餌負荷ラットの肝TG含有量は,有意差には至らなかったがエゼチミブ投与群で減少傾向が示された。 糖代謝に対する影響では,空腹時血糖は高脂肪餌群,Chow群ともにエゼチミブの影響を受けなかった。一方で,高脂肪餌ラットではエゼチミブ投与群でインスリン抵抗性が改善されていた(p<0.05)。さらに内訳を調べると,末梢のインスリン抵抗性はエゼチミブ投与群・非エゼチミブ投与群間に有意差はみられなかったが,肝による糖新生はエゼチミブ投与群で有意に減少しており,エゼチミブは肝におけるインスリン抵抗性を改善したと考えられた。また,肝臓におけるmRNAを検討したところ,エゼチミブ投与群では,肝小胞体損傷の指標であるG6Pase(glucose-6-phosphatase,グルコース-6-ホスファターゼ),および脂肪酸合成を促すSREBP1(sterol regulatory element binding protein 1,ステロール調節エレメント結合タンパク1)の発現量が減少しており,コレステロール合成を促すSREBP2,胆汁酸合成を促進するSHP(small heterodimer partner,小異種二量体パートナー)については増加していた。
以上の結果を踏まえ,「高脂肪餌負荷肥満マウスにおいてエゼチミブは脂肪肝を抑制し,インスリン感受性を改善した」と村岡氏は結論した。
2244-PO
Lipoprotein(a) seems to be a marker associated with the metabolic syndrome in type 2 diabetes mellitus and with the progression of intima-media thickness
J. Boras氏, Vuk Vrhovac University clinic (クロアチア)
Lp(a)増加は2型糖尿病患者における頸動脈肥厚リスク
■TG,HDL-Cは有意な決定因子とならず 本検討の対象となったのは,脳血管障害や虚血性心疾患の兆候のない2型糖尿病患者146例。これら146例の血清Lp(a)濃度と頸動脈内膜・中膜複合体肥厚(IMT),頸動脈プラーク数を測定後4年間追跡のうえ,再測定を行った。IMTは高解像度Bモードエコーで,血清Lp(a)は免疫比濁法で測定し評価した。
多変量解析の結果,IMTはLp(a)濃度に相関していたが,トリグリセライド(TG),HDLコレステロール(HDL-C)とは相関していなかった。また追跡開始時のLp(a)濃度30mg/dL「以下」と「超」で患者を二分すると,追跡開始時のIMTに有意差はみられなかったが4年後には30mg/dL「超」群で有意に高値となっていた(1.24±0.22mm vs 1.15±0.17mm,p=0.05)。 またLp(a)はHDL-C ,TG,IMT,プラーク数,ウエスト/ヒップ比(WHR)と有意に相関していた。Lp(a) 30mg/dL「以下」群,「超」群で解析すると,両群とも試験開始時に比較してプラーク数は有意に増加し,観察終了時では両群間に有意差はなかったが,TGとWHRはLp(a)30mg/dL「超」群で有意に高かった。
以上の結果から,Boras氏は「Lp(a)は2型糖尿病の頸動脈壁肥厚の独立した危険因子である」と結論した。
2786-PO
Frequencies in the components of the IDF-defined metabolic syndrome in Japanese children with newly diagnosed type 2 diabetes
浦上達彦氏,日本大学
小児2型糖尿病には,肥満と高TG血症が多い
■若年者の糖尿病では,80%以上が肥満
近年,小児の2型糖尿病が世界的に増加しており,これらの疾患は高頻度でメタボリックシンドロームを合併していることもよく知られている。
浦上氏は,1990年から2006年の間に2型糖尿病と診断された10〜16歳の112例(平均年齢12.9歳)の,糖尿病と診断された時点におけるIDF基準によるメタボリックシンドローム構成因子の頻度を調査した。
その結果,「肥満」(標準体重よりも20%超)が83.0%に認められ,「高トリグリセライド(TG)」(150mg/dL以上)は33.0%,「低HDLコレステロール(HDL-C)」(40mg/dL未満)21.4%「血圧高値」(130/85mmHg以上)が11.6%に認められた。いずれも男女間に有意差はなかった。
一方,糖尿病以外のメタボリックシンドローム因子を1つも有さなかった15.2%のうち,89.5%が非肥満例であった。
本検討より,浦上氏は「この年代の糖尿病患者ではメタボリックシンドローム構成因子のうち肥満および高TG血症を有する例が多く,その早期発見は後の心血管疾患予防の上で重要である」と結論した。
870-P
Effect of ezetimibe/simvastatin (E/S) versus atorvastatin (A) on lipoprotein subclasses in type 2 diabetes (T2DM) patients with hypercholesterolemia (HC)
T. Mazzone氏,University of Illinois (米国)
高コレステロール血症を伴う2型糖尿病患者ではスタチン単独よりも
エゼチミブ併用により動脈硬化惹起性リポ蛋白が有意に低下
■すべてのLDL-Cサブクラスでエゼチミブ併用により有意に低下 今回報告されたのは,「シンバスタチン+エゼチミブ併用」と「アトルバスタチン単独」による,リポ蛋白の低下効果をサブクラスごとに検討した結果である。 高コレステロール血症を伴う2型糖尿病を対象に,「エゼチミブ(10mg/日)+シンバスタチン(20mgまたは40mg/日)」と「アトルバスタチン単独(10mg,20mg,40mg/日)」を無作為化二重盲検試験で6週間投与した(総数1,229例)。HbA1cが8.5%超,またはトリグリセライド(TG)400mg/dL超のコントロール不良例,あるいはLDLコレステロール(LDL-C)100mg/dL未満が達成されている例は除外されている。
その結果,「シンバスタチン+エゼチミブ併用」はシンバスタチンの用量を問わず,アトルバスタチン10mg/日,20mg/日,40mg/日のいずれの群に比べても,有意に強力な脂質改善作用を示した。すなわち,LDL1〜3-C,LDL-C4,VLDL,VLDL3-C,IDL,IDL1-C,さらにレムナント様リポ蛋白(RLP)はすべて,アトルバスタチン40mg/日単独群に比べ,シンバスタチン+エゼチミブ併用群で有意に低下し,この結果は低用量アトルバスタチンとの比較でも同様であった。なお,HDLコレステロールは,エゼチミブ併用群では増加傾向,アトルバスタチン単独群では不変ないし減少傾向を示したが,群間差には至らなかった。
以上の成績から,「高コレステロール血症を伴う2型糖尿病患者では,アトルバスタチン単独よりもシンバスタチン+エゼチミブ併用により動脈硬化惹起性リポ蛋白分画をより効率的に低下し得る」とMazzone氏は結論した。
81-OR
Subjects with type 2 diabetes with TNF-α-C-857T polymorphism are resistant to cholesterol-lowering effect of statins
高橋徹氏,岩手医科大学
TNF-α-C-857T(プロモーター遺伝子)多型は
スタチン反応性の決定因子である可能性
■スタチン服用群において,C/TまたはT/T型ではC/C型に比べLDL-C値が高い
わが国の2型糖尿病患者360例(うち女性184例)を対象に,血液サンプルを採取し,TNF-αプロモーター領域多型(C/C,C/TまたはT/T)をPCR法によって調べた。
その結果,遺伝子多型はC/C型が255例,C/TおよびT/T型が99例(不明6例)であった。患者背景を両群間で比較すると,C/C型群でLDLコレステロール(LDL-C)が有意に低い(109.9mg/dL vs 118.6mg/dL)以外差は認められず,年齢,性別,BMI,血圧,HbA1c,総コレステロール,トリグリセライド,HDLコレステロール値は両群で同等であった。
さらにスタチン服用の有無別に血清脂質を検討した結果,スタチン非服用例では,C/C型群のLDL-C値(109.9mg/dL)はC/T・T/T型群(111.3mg/dL)と同等であったのに対し,スタチン服用例では,C/C型群の110.4mg/dLに比べC/T多型・T/T多型群では128.1mg/dLと有意に高値を示した(p=0.0028)。解析途中ではあるが,C/T・T/T型群ではC/C型に比べスタチン服用後のLDL-C低下率が低い傾向が認められている。
以上の結果を踏まえ,「TNF-αプロモーター領域「-857」T多型はスタチン無効例の決定因子としての有用性が期待されるが,遺伝子多型に関してはさらに研究が求められる」と高橋氏は結論した。
878-P
Lipid predictors of cardiovascular events in statin-treated coronary patients with type 2 diabetes
H. Drexel氏, Vorarlberg Institute for Vascular Investigation and Treatment (オーストリア)
スタチン治療中の冠動脈疾患患者では高TG・低HDL-Cの是正が有用
■心血管イベント発生リスクはHDL-C低値,アポA1低値,LDL粒子径小,TG高値
本研究では,冠動脈造影で病変が確認されたスタチン服用患者449例を,6年間前向きに追跡し,致死的,非致死的血管イベントの発生を検討した。
追跡開始時の平均年齢は63歳,73.1%が男性であった。総コレステロールは219±44mg/dL,LDLコレステロール(LDL-C)は131±36mg/dL,HDLコレステロール(HDL-C)が47±13mg/dL,トリグリセライド(TG)は178±111mg/dLであった。糖尿病合併は24.7%,高血圧63.0%,喫煙者が55.9%を占めた。
追跡期間中の累積血管イベント発生率は37.4%であった。中央値よりも高値群,および低値群の2群に分けて比較すると,HDL-C低値,アポA1低値,LDL粒子径低値群で血管イベント発生が有意に多かったが(各々p=0.010,p=0.002,p=0.005),TG,総コレステロール,LDL-C,アポBでは両群のイベント発生率に差はなかった。
次に,年齢,性別,BMI,喫煙状況と高血圧・2型糖尿病の有無による影響を補正後,血管イベント発生リスクを検討したところ,有意なリスクとなっていたのは,「HDL-C低値」,「アポA1低値」,「LDL粒子径小」と「TG高値」であり,LDL-CやアポBの高値はリスクとはならなかった。「HDL-C低値」,「アポA1低値」,「LDL粒子径小」は特に,2型糖尿病患者においても血管イベントの有意な増大因子となっていた。
以上より,「スタチンにより治療中の冠動脈患者の中でも2型糖尿病合併例では,低HDL-C,低アポA1,LDL径小と高TGがリスクであり,『高TG・低HDLパターン』の改善が必要である」とDrexel氏は結論した。
902-P
Atherosclerosis-related findings in patients with the metabolic syndrome: An analysis of population-based health checkup data
伊藤洋太氏,国立病院機構宇都宮病院
メタボリックシンドロームでは早期動脈硬化が進展
■メタボリックシンドロームではすでに動脈硬化性の異常が認められる
伊藤氏が解析に用いたのは,栃木県大田原市の2007年住民健診データである。
まず2006年度に,男性2,227例,女性3,454例のデータを用いた検討を行ったところ,このうち,わが国のメタボリックシンドローム基準に相当したのは男性436例(19.6%),女性200例(5.8%)であった。男女ともメタボリックシンドローム例では非メタボリックシンドローム例に比べ,眼底において動脈硬化所見を認める患者の割合が有意に多かった。そこで眼底の動脈硬化所見のリスクを多変量解析で求めたところ,「血圧高値」,「空腹時血糖(FPG)高値」,「性別」,「年齢」が有意な動脈硬化リスク因子となっていた。このうち「血圧高値」がリスクとして最も重く,次いで「FPG高値」であった。
続いて2007年度の健診データ6,320例(うちメタボリックシンドロームは115例 [1.8%] )を用いて検討を行ったところ,メタボリックシンドローム例の69%では頸動脈内膜・中膜複合体厚(IMT)が1.0mm以上であり,また尿中アルブミン排泄率および非対称性ジメチルアルギニン(ADMA)値は内臓脂肪蓄積のみを認める例に比べメタボリックシンドローム例では有意に高値であった。
以上の結果を踏まえ,「メタボリックシンドローム例では眼底動脈硬化所見,IMT肥厚,尿中アルブミン排泄およびADMAの増加など,動脈硬化性の異常が認められる」と伊藤氏は結論した。
2569-PO
Classical and emerging biomarkers in metabolic syndrome
L. K. Summers氏,Oxford Lipid Metabolism Group(英国)
男性メタボリックシンドロームは補体C3と相関し,
アディポネクチンと逆相関する
■アディポネクチン,補体C3,RBP-4とメタボリックシンドロームの関係を検討
本検討の対象となったのは,健常人男性310例で,うち74例がIDF基準のメタボリックシンドロームに相当した。これら310例において,血中のアディポネクチン,補体C3,Retinol Binding Protein-4(RBP-4)濃度を測定した。
その結果,メタボリックシンドローム例では非メタボリックシンドローム例に比べアディポネクチン濃度が有意に低く(6.7μg/mL vs 8.7μg/mL,p<0.001),逆に補体C3濃度は有意に高かった(1.05mg/dL vs 0.95mg/dL,p<0.001)。RBP-4には有意差は認められなかった。またメタボリックシンドローム例ではBMI,インスリン抵抗性(HOMA-IR),トリグリセライド(TG), PAI-1も有意に高値であった。
次にアディポネクチン,補体C3と各危険因子の関係をみると,補体C3は「BMI」,「インスリン抵抗性」,「収縮期血圧」,「総コレステロール」,「TG」,「PAI-1」のいずれとも有意に相関し,アディポネクチンも収縮期血圧を除く各因子との相関が認められた。
以上の結果から,「アディポネクチン低値,補体C3高値はIDF基準メタボリックシンドローム陽性と相関している」とSummers氏は結論した。
2261-PO
Sex differences in risk factors for cardiovascular disease and metabolic syndrome
L. M. Sparks氏, Pennington Biomedical Research Center(米国)
CRP高値の男性では女性に比べメタボリックシンドロームが増加
■CRP≧0.2mg/dLの男性はメタボリックシンドローム頻度が女性の1.7倍
Sparks氏は,急性の炎症症状が認められないにもかかわらずC反応性タンパク(CRP)が高値(0.2mg/dL以上)を示した18〜75歳の男性44例と女性118例で,腹囲,トリグリセライド(TG),HDLコレステロール(HDL-C),安静時血圧,空腹時血糖値,空腹時インスリン値,内臓脂肪,CRPを測定した。
その結果,CRP,内臓脂肪は男女間に差を認めなかったものの,空腹時インスリン濃度は男性で高かった(14.7±1.1μU/mL vs 12.3±0.7μU/mL,p=0.05)。
米国脂質管理ガイドラインNCEP ATPIII基準のメタボリックシンドロームに相当していた人の割合は,女性30%に比べ男性は50%と有意に高かった(p<0.05)。男性では「腹囲高値」(80% vs 73%),「TG≧150mg/dL」(27% vs 17%),「HDL-C低値」(36% vs 25%),「血圧≧130/85mmHg」(61% vs 49%),「空腹時血糖値≧110mg/dL」(36% vs 28%)とメタボリックシンドローム構成要件のいずれもが女性より高頻度となっていた。
以上より,「CRP高値の男性ではメタボリックシンドロームの頻度が増加しており,心血管イベントや2型糖尿病のリスクが高いと考えられる」とSparks氏は結論した。
2272-PO
The metabolic syndrome with or without metabolic diseases increased risk of cardiovascular events in chinese subjects
C. Wang氏,Shanghai Jiaotong University(中国)
東洋人女性でもメタボリックシンドロームは心血管リスク
■WHOおよび中国のガイドラインによるメタボリックシンドロームは中国人女性のリスクである
本研究では心血管疾患を認めない中国人2,788名を5.5年間追跡し,追跡開始時のメタボリックシンドロームの有無と心血管イベント発生の関係を検討した。メタボリックシンドロームの定義はWHOとIDF基準に加え,中国独自の基準であるJCDCG(Joint Committee for Developing Chinese Guidelines on Prevention and Treatment of Dyslipidemia in Adults)基準を用いて,いずれの定義が心血管リスクの良い指標となるかも検討した。
その結果,年齢補整後,メタボリックシンドロームによる心血管イベントのハザード比は,WHO基準で1.56(95%信頼区間:1.18〜2.05),IDF基準1.21(95%信頼区間:0.90〜1.61),JCDCG基準では1.55(95%信頼区間:1.17〜2.04)であった。ただし性別の検討では,WHO基準,JCDCG基準のメタボリックシンドロームが心血管リスクになっていたのは女性のみであった。
以上の結果を踏まえて,「JCDCG基準によるメタボリックシンドロームはWHO基準メタボリックシンドロームと同様,中国人女性の心血管リスクである」とWang氏は結論した。
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