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402-8
1-Year Cardiovascular Event Rates in a Global Contemporary Registry of Over 68,000 Outpatients With Atherothrombosis: The Reduction of Atherothrombosis for Continued Health (REACH) Registry Results
Hôpital Bichat, France Philippe G. Steg氏
動脈硬化性疾患の予防においては,病変部位だけでなく全身の血管保護を考慮した治療が必要:REACHレジストリ
■末梢循環疾患(PAD)患者のイベント発生リスクは冠動脈疾患の既往患者と同程度
REACH (Reduction of Atherothrombosisfor Continued Health) レジストリには日本を含む全世界から,動脈硬化性疾患(急性期を除く)患者,およびその危険因子を3つ以上有する高リスク者68,375例が登録され,今回は1年間の追跡が可能であった63,129例の予後が報告された。
被験者の背景は,平均年齢68.6歳,男性63.8%,高血圧81.7%,高コレステロール血症72.1%,糖尿病44.1%,肥満(BMI > 30kg/m2)29.9%,肥満(BMI: 25〜30kg/m2)40.0%,過去の喫煙歴41.7%,現在の喫煙習慣15.2%であった。
動脈硬化性疾患発生抑制を考慮した治療は比較的十分に行われており,50%近くがβ遮断薬,75%前後がレニン・アンジオテンシン系降圧薬と脂質低下薬,80%弱が抗血小板薬,約70%がアスピリンを服用していた。
それにも関わらず,1年間のイベント発生率は「脳・心血管死亡」1.5%,「非致死性心筋梗塞」,「非致死性脳卒中」はそれぞれ1.2%と1.6%だった。上記3イベントのいずれかを来したのは年間3.5%であり,さらに「脳・心血管死亡,心筋梗塞,脳卒中」または「イベントによる入院」まで合わせた「全動脈硬化性疾患」として評価すると年間発生率は12.9%にのぼった。なお,この内訳としては,イベント既往者では14.5%,危険因子を有する高リスク者では5.4%であった。
これらイベントの予測因子を探ったところ,動脈硬化性疾患の合併数が多いほどイベントリスクが高いのは当然として,PADのみを有する患者においても,「脳・心血管死」の年間発生率は1.2%あり,「脳・心血管死亡,心筋梗塞,脳卒中」のいずれかを来す割合は年間2.3%にも上った。この数字は,冠動脈疾患のみを有する患者におけるそれぞれの発生率1.5%,3.1%とほぼ同等である。
以上の結果から「動脈硬化性疾患発生抑制のためには,現在症状を有している病変部位だけでなく,全身の血管保護を考慮した治療の必要性が強く示されている」とSteg氏は述べた。
411-8
Effect of Very Low LDL-C Levels on Regression of Coronary Atherosclerosis: Results of The ASTEROID Trial
Cleveland Clinic, U.S.A. Steven E. Nissen氏
LDL-C値60mg/dLまでの低下によりプラーク容積が著明に退縮:ASTEROID
■LDL-C値60mg/dLなら約64%以上の患者でプラーク退縮
AETEROID(A Study To Evaluate the Effect of Rosuvastatin On Intravascular Ultrasound-Derived Coronary Atheroma Burden)では,冠動脈造影にて20%超の狭窄を認め,過去1年間に3か月以上スタチンを服用しなかった507例に,ロスバスタチン40mg/日を2年間投与した。
長さ40mm以上で50%超の狭窄を認めない冠動脈が標的冠動脈とされ,血管内エコー法(IVUS)で測定した標的血管のプラーク容積が試験開始前後で比較された。
507例中,脱落あるいはIVUS評価不可能の31.2%(158例)を除いた349例で解析したところ,ロスバスタチンによりLDL-C値は130.4mg/dLから60.8mg/dLへ53.2%有意に低下し(p<0.001),HDLコレステロール(HDL-C)値は逆に43.1mg/dLから49.0mg/dLへ14.7%有意に上昇した(p<0.001)。トリグリセリドも152.2mg/dLから121.2mg/dLへ14.5%有意に低下した(p<0.001)。
その結果,1次エンドポイントである「標的冠動脈の全プラーク容積」は,2年間後に0.79%有意に減少し,「標的血管で最も狭窄率の高いプラーク容積」も5.6mm3有意に減少した(ともにp<0.001)。
ロスバスタチンによるプラーク退縮作用は,年齢,性別,BMIに関わりなく認められた。到達LDL-C値が70mg/dL以上であった95例(27.2%)では有意な退縮は認められなかったが,70mg/dLよりも低値に達した254例(72.8%)ではプラークは有意に退縮した。
脱落例なども含む全507例における有害事象は,死亡4例(0.8%),心筋梗塞10例(2.0%),脳卒中3例(0.6%)のほか,ALT正常値3倍超の上昇9例(1.8%),CK正常値5倍以上の上昇6例(1.2%)などがみられた。
「今後,臨床転帰をエンドポイントとした試験結果が報告されれば,LDL-C値を60mg/dLまで低下させる有用性はより明確になるだろう」とNissen氏はコメントした。
808-5
Effects of Ezetimibe/Simvastatin Compared to Simvastatin Monotherapy in Reducing C-Reactive Protein and Low-Density Lipoprotein Cholesterol
Baylor College of Medicine, U.S.A. Christie M. Ballantyne氏
コレステロール吸収阻害剤+スタチン併用は,スタチン単独に比べLDL-CとCRPを有意に低下
■エゼチミブ10mg/日の併用によりCRP低下はスタチン単独の2倍以上
Ballantyne氏がメタ解析に用いたのは,高コレステロール血症を対象に,プラセボ,エゼチミブ,シンバスタチンとエゼチミブ+シンバスタチン併用を比較した12週間の第III相無作為化二重盲検試験3試験である。LDL-C値145〜250mg/dL,トリグリセリド(TG)値350mg/dL以下の3,083例が解析対象となった。
その結果,シンバスタチン10〜80mg/日によるLDL-C低下率は38.0%であったが,同用量のシンバスタチンにエゼチミブ10mg/日を併用すると,LDL-C低下率は52.5%と有意な増大が認められた(p<0.001)。特に,シンバスタチン20mg/日とエゼチミブ10mg/日を併用した場合のLDL-C低下率は50.3%であり,シンバスタチン80mg/日単独のLDL-C低下率よりも高値となった。
さらにCRP低下作用にも,エゼチミブ+シンバスタチン併用による相乗的な効果の有意な増大が認められた。シンバスタチン10〜80mg/日単独のCRP低下率が14.3%であるのに対し,エゼチミブ10mg/日を併用した場合のCRP低下率は31.0%であり,2倍以上の有意な増大が認められた(p<0.001)。エゼチミブ併用によるCRP低下作用は年齢,性別,人種,BMI,糖尿病・冠動脈疾患・メタボリックシンドロームの有無に関わらず,一貫して認められた。
また,LDL-C目標値を100mg/dL未満,70mg/dL未満のいずれとした場合でも,エゼチミブ併用により達成率は有意に高くなり(p<0.001),さらにLDL-C目標値+CRP目標値(2mg/L)双方を達成できた患者の割合も,エゼチミブ併用群で有意に増加した(p<0.001)。
以上の成績より,「エゼチミブ併用により,スタチンのLDL-C低下作用およびCRP低下作用は著明に増強される」とBallantyne氏は結論した。
808-6
Triple-Therapy With a Statin, Fibrate and Ezetimibe Safely Allows More Diabetic Patients With Mixed Dyslipidemias to Reach National Cholesterol Education Program Guidelines: An Analysis of the DIACOR Study LDS Hospital, U.S.A. Robert R. Pearson氏
スタチン+フィブラート+コレステロール吸収阻害剤の3剤併用による,糖尿病合併複合型高脂血症への有効性:DIACTOR Substudy
■エゼチミブ追加投与により,LDL-CだけでなくTG,HDL-Cも改善
DIACOR(Diabetes And Combined lipid therapy Regimen)研究は,脂質代謝異常を伴う糖尿病患者における脳・心血管イベント1次予防試験である。脂質代謝異常の定義は「LDL-C値100mg/dL以上」,「HDLコレステロール(HDL-C)値40mg/dL未満」,「TG値200mg/dL以上」のいずれか2つに相当する場合とされている。対象患者はスタチン(シンバスタチン20mg/日)単独,フィブラート(フェノフィブラート160mg/日)単独あるいはスタチン+フィブラート併用群に無作為化され,12週間二重盲検法で追跡後,オープンラベルでスタチン+フィブラートを9か月服用した。
今回の検討対象は,9か月間のスタチン+フィブラート服用終了時に,「LDL-C値100mg/dL未満」または「TG値150mg/dL未満」のいずれかが達成されていなかった患者37例で,スタチン+フィブラートに加えプラセボを服用する2剤併用群(17例)とエゼチミブ10mg/日を追加投与する3剤併用群(20例)に無作為化され,6週間二重盲検法で追跡された。年齢と性別分布は両群間で同様であった。
その結果,3剤併用群ではLDL-C値が25.2%有意に低下し(p<0.0001),23.5%の患者でガイドラインの治療目標値である「LDL-C値100mg/dL未満」,「HDL-C値40mg/dL以上」,「TG値150mg/dL未満」の3つ全てを達成できた。一方,2剤併用群では3つとも達成できた例はなく,逆に3つとも達成できない患者が20.0%であった(3剤併用群では0%)。
安全性に関し現時点では,横紋筋融解,筋痛,肝毒性は,両群とも1例も観察されていない。
「スタチン+フィブラート+エゼチミブの3剤併用療法は,脂質代謝異常コントロールが困難な糖尿病患者において,有用な治療法となることが期待される」とPearson氏はコメントした。
968-146
Patient Knowledge and Statin Use
Cardiovascular Outcomes Research Consortium, U.S.A. Thomas M. Maddox氏
患者が自分のコレステロール目標値を知っていると有意に予後を改善
■目標値を知らないと死亡リスクが2倍以上増加
PREMIER(Prospective Registry Evaluation Myocardial Infarction: Event and Recovery)研究には,2003年1月から2004年7月までに心筋梗塞を発生した2,498例が19施設から登録されている。今回の解析では,自らのコレステロール目標値認識の有無と転帰の関係について検討した。患者が自分の目標値を知っているか否かについては,退院1か月後の来院時に直接確認した。
その結果,自分のコレステロール目標値を認識していたのは,退院した2,012例中666例(33.1%)のみであった。認識群では非認識群に比べ男性の割合が有意に高く,また白人が有意に多かった。
次に,退院時にスタチンを処方されていた1,397例で6か月後のスタチン服用と目標値認識の関係を検討した。認識群では退院6か月後のスタチン服用率が有意に高かったが(81.8% vs 71.3%,p<0.001),経済状況などの交絡因子補正後,有意差は認められなかった [オッズ比:1.05,95%信頼区間:0.92-1.2]。
一方,12か月間の生存率は認識群で有意に良好であった(p<0.001)。性別,年齢,人種,ST変化・糖尿病合併・左室機能低下・冠動脈疾患既往・腎不全・退院時β遮断薬服用の各々の有無,さらに施設で補正後も,非認識群では認識群に比べ死亡リスクが2.31倍(95%信頼区間:1.23-4.33)となっていた。
Maddox氏らは「患者教育が服薬や生存に及ぼす影響の大きさを示唆する結果である」と結論し,今後,患者教育(知識)と予後改善を媒介する要因の特定を行いたいとした。
981-193
Does More Aggressive Statin Therapy Increase Muscle and Liver Risk?
University of Connecticut, U.S.A. Krista M. Dale氏
高用量スタチンによる積極的LDL-C低下療法は筋障害・肝障害を増加させる:メタ解析
■水溶性スタチンは肝障害,脂溶性スタチンでは筋障害が増加する
Dale氏らは,高用量スタチンと通常用量のスタチンを比較した臨床試験をメタ解析した。解析対象となったのは,登録100例以上,追跡期間48週間以上,かつAST,ALTまたはCKについての報告のある無作為化試験である。これに該当した8試験(Prove-It,TNT,A to Z,ARBITER,REVERSAL,BELLES,Post CABG,ASAP)に参加した21,765例のデータが用いられた。
その結果,高用量スタチンによる積極的LDL-C低下療法は,通常療法に比べて肝障害リスクを有意に増加させ [オッズ比:2.65,95%信頼区間:1.47-4.77] ,筋障害リスクも増加させる傾向が認められた[オッズ比:2.86,95%信頼区間:0.91-8.97]。また,スタチンの水溶性・脂溶性を分けた解析を行った結果,水溶性スタチンは肝障害(AST・ALT上昇)のリスクを有意に増加させ [オッズ比:3.61,95%信頼区間:1.87-6.96] ,一方,脂溶性スタチンは筋障害(CK上昇)のリスクを有意に増大[オッズ比:6.12,95%信頼区間:1.36-27.54] させることが示された。
以上の結果からDale氏は,高用量スタチンを用いた積極的LDL-C低下療法は,通常用量のスタチンに比べ,筋障害(脂溶性スタチン),肝障害(水溶性スタチン)を増加させる可能性があると結論した。
981-194
Ezetimibe/Simvastatin Versus Atorvastatin for Attainment of Apolipoprotein B and C-Reactive Protein Goals: A VYVA Substudy
Baylor College of Medicine, U.S.A. Christie M. Ballantyne
スタチン+コレステロール吸収阻害剤の併用は,ストロングスタチン単独よりもLDL-C,アポBタンパク,CRP低下作用が良好:VYVA試験サブ解析
■エゼチミブ追加により4例に1例でLDL-C値<70mg/dLかつアポBタンパク値<90mg/dLを達成可能
今回解析対象となったのは,VYVA試験に参加している高コレステロール血症患者1,902例中,CRP値が得られた1,832例である。VYVA試験は,様々なリスクの高コレステロール血症例を対象に,「シンバスタチン+エゼチミブ10mg/日併用」と「アトルバスタチン単独」を比較した6週間の無作為化二重盲検試験で,シンバスタチンとアトルバスタチンは同等の用量が用いられた。
LDL-C値が70mg/dL未満まで低下し,かつアポBタンパク値が90mg/dL未満となった患者の割合は,アトルバスタチン10mg/日群では3.5%であったが,シンバスタチン10mg/日+エゼチミブ併用群では11.0%と有意に高値であった(p<0.01)。同様に,アトルバスタチン20mg/日単独群の9.5%に対し,シンバスタチン20mg/日+エゼチミブ群の達成率は26.4%と有意に高かった(p<0.001)。またスタチン全用量(10〜80mg/日)例の合計で比較しても,達成率はアトルバスタチン単独群の16.0%に比べ,エゼチミブ併用群では32.5%と有意に高値であった(p<0.001)。
次に,「LDL-C値70mg/dL未満」と「CRP値2mg/L未満」を同時に達成できていた患者の割合を比較したところ,アトルバスタチン10mg/日群では1.3%のみであったが,同用量のシンバスタチン+エゼチミブ併用群では8.4%であった(p<0.01)。アトルバスタチン20mg/日では7.0%まで増加するが,シンバスタチン20mg/日+エゼチミブ併用群では15.5%であった(p<0.01)。スタチン全用量例を合計しても同様で,アトルバスタチン単独群では9.8%であったが,エゼチミブ併用群では20.7%であった(p<0.001)。
安全性と忍容性に関し,アトルバスタチン単独群とエゼチミブ併用群は同等であった。
以上の結果から,「エゼチミブをスタチンに追加することにより,安全でより有効な脂質低下治療を行えるだけでなく,CRP減少によるさらなる有用性も期待できる」とBallantyne氏はコメントした。
1014-208
Marked Risk Reduction in Coronary Heart Disease, Stroke and Total Mortality in Women ≥60 Years Old With Low-Dose Pravastatin for Primary Prevention in the Management of Elevated Cholesterol in the Primary Prevention Group of Adult Japanese (MEGA) Study
日本医科大学 水野杏一氏
日本人において脂質低下療法は女性でも有用:MEGA Study
■高齢者女性ほどリスク減少率は大きい
今回報告されたのはMEGA Studyに参加した閉経後女性5,356例(平均年齢:59.7歳)の解析データである。2,718例が食事療法群,2,638例が食事療法+プラバスタチン群に無作為化され,オープンラベルで追跡された(PROBE法)。
背景因子は,平均BMIが23.7kg/m2,平均血圧132.3/77.9mmHg,42.6%で高血圧,17.8%で糖尿病を合併していた。 平均5.3年間の追跡期間後,「プラバスタチン」群のLDLコレステロール値は157.5mg/dLから18.3%低下し,「食事療法」群では157.2mg/dLから2.6%の低下であった。またトリグリセリド値は,プラバスタチン群で118.5mg/dLから7.0%,食事療法群では118.2mg/dLから2.1%,それぞれ低下していた。一方,HDLコレステロール値はプラバスタチン群が59.6mg/dLから5.2%,食事療法群は59.5mg/dLから3.1%の増加を認めた。これら脂質代謝の変化は男性と同様だった。
臨床転帰を比較すると,1次エンドポイントである冠動脈イベント(全心筋梗塞,不安定狭心症,心臓突然死,冠血行再建術)は食事療法群に比べプラバスタチン群で減少傾向を示すものの有意差とはならなかった [ハザード比:0.75,95%信頼区間:0.45-1.25] 。同様に「冠動脈イベント+脳梗塞」 [ハザード比:0.74,95%信頼区間:0.50-1.12] ,「脳卒中」 [ハザード比:0.63,95%信頼区間:0.36-1.10] も減少傾向にとどまった。ただし「総死亡」はハザード比0.59,95%信頼区間:0.35-1.00(p=0.046)という結果であった。
一方,年齢別に脳・心血管イベント発生リスクを解析したところ,55歳未満を除外した4,165例では,プラバスタチン群において「冠動脈イベント+脳梗塞」が有意に減少した[ハザード比:0.63,95%信頼区間:0.41-0.97]。60歳未満を除外した2,805例で検討すると,プラバスタチン群におけるリスク減少率はさらに増加した。有害事象の発現率はがんを含め,両群間で同等であった。
「低用量プラバスタチンにより高齢女性では冠動脈イベントと脳卒中リスクが著明に減少し,同時にプラバスタチンの女性における長期安全性も確認された」と水野氏は結論した。
1014-209
Very Low-Fat Japanese Diet and Daily Exercise Reduce Plasma Lipid Levels With Small Dose of Statins and Is Effective for Regression of Coronary Atherosclerosis
千葉大学 中川敬一氏
超低脂肪日本食と低用量スタチン併用で著明な脂質代謝改善作用
■1か月でLDL-C値は35%低下するがHDL-C値も有意に低下
中川氏が対象としたのは,冠動脈疾患38例と頸動脈肥厚を認めた14例(平均60.9±9.1歳)である。脂肪摂取は1日必要エネルギー量の10%,コレステロールは100mg/日未満,タンパクは70g/日以上で総熱量1,300〜1,400kcal,あるいは1,600〜1,700kcal(患者の体重により決定)の日本食を10日間,入院下で摂取させた。10日間経過後も同様の食事が摂れるよう,栄養士が患者の体重に合わせたレシピを作成し患者を教育した。また1日30分以上の有酸素運動も推奨した。これらと平行して,低用量スタチン(プラバスタチンまたはシンバスタチン5mg/日,アトルバスタチン10mg/日)を投与した。
その結果,1か月後の血清脂質は,LDL-C値が139mg/dLから90mg/dLへ35%有意に低下し(p<0.001),TG値123mg/dLから97mg/dLへ21%有意に低下した(p=0.002)。一方,HDLコレステロール(HDL-C)値も61mg/dLから57mg/dLへ有意に低下した(p=0.002)。なおLDL-C低下率をスタチンごとにみると,アトルバスタチン41%,プラバスタチン23%,シンバスタチン36%であった。
また12例において試験開始時と1か月後の心筋灌流をPETで評価したところ,9例で改善,2例が不変,下肢グラフト閉塞の1例のみで悪化という結果であった。
中川氏は「超低脂肪の和食を導入すれば,最低用量のスタチンで冠動脈病変進展抑制・退縮が得られる可能性がある。ただし,低脂肪和食によりHDL-C値が低下し,有酸素運動の時間が多い例ほどHDL-C値低下率が大きい傾向が認められた」と述べた。
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