ACC Annual Scientific Session 2005 WILL Medical Congress Report


積極的脂質低下療法は有効だが,忍容性に課題:TNT試験
エゼチミブとシンバスタチンの併用は高齢者高コレステロール血症を安全かつ効果的に是正
ロスバスタチン抵抗性の冠動脈疾患患者にエゼチミブ10mg/日追加で52%がLDL-C100mg/dL未満を達成
スタチンへのエゼチミブ追加によりLDL-C目標値達成率が3.5倍に
短期間のスタチン服用による特発性多発ニューロパシー増加の可能性は低い:症例・対照研究
ACSの再発予防ではLDL-Cだけでなく血圧・血糖値の管理も重要:PROVE IT筋炎の発現は高用量スタチンで有意に高い:PROVE IT
筋炎の発現は高用量スタチンで有意に高い:PROVE IT
臨床現場における高用量スタチンによる筋症状発現率は10.5%:PRIMOレジストリ
この情報には一部、本邦未承認の情報が含まれております。


410-3
Intensive Lipid Lowering with Atrovastatin in Patients With Stable Coronary Disease
TNT Steering Committee and Investigators John LaRosa氏

積極的脂質低下療法は有効だが,忍容性に課題:TNT試験

■積極的脂質低下療法の有効性とスタチンのみによる脂質低下の課題を示したTNT試験
 軽度〜高度のLDLコレステロール(LDL-C)上昇を認める冠動脈疾患例において,LDL-C目標値「100mg/dL」と「75mg/dL」による心血管イベント抑制作用を比較したTNT(Treating to New Targets)試験がACCで報告された。  本試験では,まずLDL-C 130〜250mg/dLの15,464例に,8週間アトルバスタチン10mg/日をオープンラベルで投与した。この導入期間中にLDL-C<130mg/dLまで低下しなかった5,463例を除外した後,10,001例をLDL-C目標値「100mg/dL(アトルバスタチン10mg/日)群」(5,006例)と「75mg/dL(同80mg/日)群」(4995例)に無作為に割り付け,二重盲検法にて中央値4.9年間追跡した。
 追跡期間中の平均LDL-C値は,10mg/日群101mg/dL,80mg/日群77mg/dLであった。
 その結果,1次エンドポイントである「主要心血管イベント(冠動脈死,非致死性・非PCI関連心筋梗塞,蘇生できた心停止,全脳卒中)は,80mg/日群で有意に22%相対的に減少した(8.7% vs 10.9%,p=0.0002)。個別に比較すると,「非致死性・非PCI関連心筋梗塞」と「全脳卒中」が有意に減少していたが,「冠動脈死」の減少は有意ではなかった。また,「脳出血」の発症および総死亡率は両群で同等であった。
 安全性に関する結果では,筋障害の発現は両群で同等だったが,有害事象が80mg/日群において40%(8.1% vs 5.8%,p<0.001),「服薬中止」も36%(7.2% vs 5.3%,p<0.001)と有意に増加していた。
 また80mg/日群では「AST/ALTの正常値3倍を超す上昇」が,10mg/日群に比べ有意に増加していた(1.2% vs 0.2%,p<0.001)。
 以上のように,冠動脈疾患例に対する積極的脂質低下療法は心血管イベントの減少に有効であったが,スタチンのみで積極的脂質低下を図るには安全性に一定の懸念が残る結果となった。
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1070-127
Efficacy and Safety of Ezetimibe/Simvastatin in Elderly Patients With Primary Hypercholesterolemia
Miami Research Associates Theodore Feldman氏

エゼチミブとシンバスタチンの併用は高齢者高コレステロール血症を安全かつ効果的に是正

■エゼチミブとスタチン併用により,高齢者でも安全に積極的脂質改善を図り得る
 65歳以上の高齢者高コレステロール血症において,新たな機序を有するコレステロール吸収抑制剤エゼチミブとシンバスタチン併用はシンバスタチン単独に比べ,LDL-C低下作用,トリグリセライド(TG)低下作用ともに有意に増強され,HDL-C増加作用は同等であることが明らかになった。
 一方,併用による有害事象発現率はシンバスタチン単独と同様であり,エゼチミブの併用は有害事象の発現しやすい高齢者の高コレステロール血症改善に適した治療法であると考えられた。
 本報告はMiami Research Associates(米国)のFeldman氏らによるもので,脂質低下薬服用を中止した導入期間中のLDL-Cが145〜250mg/dL,TGが350mg/dL以下の1,231例を,シンバスタチン単独,エゼチミブ単独,両者併用の3群に無作為化し二重盲検法で比較した結果である。
 これら3群は事前に65歳未満と65歳以上に層別化されており,65歳以上で比較すると,LDL-C低下率はシンバスタチン単独群が42.8%だったのに対しエゼチミブ併用群では56.2%と有意(p<0.001)な低下が認められた。
 TGも同様で,エゼチミブ併用群では相対的に22%有意(p<0.001)な低下を認めた。HDL-C増加率は,シンバスタチン単独群とエゼチミブ併用群間に差を認めなかった。いずれの指標も65歳以上と65歳未満に著明な差はなかった。一方,C反応性蛋白(CRP)の血中濃度は,シンバスタチン単独に比べエゼチミブ併用群において,いずれの年齢層でも有意に低下したが,65歳以上でより強力な減少作用が示された。
 有害事象の発現は,年齢を問わずシンバスタチン単独群,エゼチミブ併用群いずれも15%前後と同等であった。ただし,65歳以上の比較では,重篤な副作用がシンバスタチン単独群の4.6%に認められたのに対し,エゼチミブ併用群では0.7%と著明に低かった。
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1070-129
Ezetimibe Added to Rosuvastatin for Severely Hypercholesterolemic Patients: Effects on Low-Density Lipoprotein Cholesterol and C-Reactive Protein
Medical Research Laboratories International Even A. Stein氏

ロスバスタチン抵抗性の冠動脈疾患患者にエゼチミブ10mg/日追加で52%がLDL-C100mg/dL未満を達成

■ロスバスタチンでLDL-C 100mg/dL未満を達成できない患者の52%がエゼチミブ12週間服用により目標値を達成
 ロスバスタチン1年以上服用にも関わらずLDL-Cが100mg/dL未満まで低下しない高コレステロール血症患者がエゼチミブ10mg/日を12週間服用したところ,LDL-Cの有意な低下を認め,52%の患者でLDL-C<100mg/dLを達成できたと,Medical Research Laboratories International(米国)のStein氏らが報告した。 
 本検討の対象となったのは,家族性高コレステロール血症を含む71例。全員,1年以上のロスバスタチン40mg/日を基礎とする脂質低下療法にも関わらず,LDL-Cが100mg/dL未満まで低下しなかった患者である。
 これら71例がオープンラベルでエゼチミブ10mg/日を12週間併用したところ,LDL-Cはロスバスタチン単独時に比べて28%有意(P<0.001)に低下し,平均LDL-Cは145mg/dLから103mg/dLまで減少した。また71例中37例(52%)でLDL-Cは100mg/dL未満まで低下した。  
 トリグリセライドは5%の減少傾向を示すにとどまったが,non-HDL-Cはエゼチミブ追加により26%有意(P<0.001)に低下した。
 HDL-Cの値に変化はなかった。
 さらに,C反応性蛋白(CRP)の血中濃度も,エゼチミブの追加により25%低下した(p=0.0525)。またロスバスタチン単独時に比べエゼチミブ併用時では,CRP減少率が有意(p<0.01)に13%増大し,CRP値をロスバスタチン服用前と比較すると,エゼチミブ併用時には有意(p<0.0001)に57%低下していた。
 エゼチミブ追加の忍容性は良好で,追加による重篤な有害事象の発現は1例もなかった。また,CK正常上限値10倍を超す上昇,あるいはALT正常上限値の3倍を上回る上昇も1例も見られなかった。
 以上の成績を踏まえ,「改訂ATP IIIが示す,より積極的な脂質低下目標を達成するには,ロスバスタチンとエゼチミブの併用が必要である」とStein氏らは結論している。
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EASE: Ezetimibe Add-on to Statin for Effectiveness Trial
University of Rochester Thomas Pearson氏

スタチンへのエゼチミブ追加によりLDL-C目標値達成率が3.5倍に

■スタチンでLDL-C目標値が達成されない患者ではエゼチミブ追加が有用
 スタチン服用にもかかわらずATP III(米国高脂血症治療ガイドライン)のLDLコレステロール(LDL-C)目標値を達成できない3,030名をエゼチミブの追加(2,020名;エゼチミブ追加群)とプラセボの追加(プラセボ群)に無作為割り付けし二重盲検法により6週間追跡したところ,エゼチミブ追加群におけるLDL-C目標値達成率は71%に及び,プラセボ群の20.6%を有意に上回った。University of Rochester(米国)のPearson氏らが報告したEAST(Ezetimibe Add-on to Statin for Effectiveness)試験の結果である。
 エゼチミブ追加群におけるLDL-C低下率は,患者のリスクの高低に関わらずプラセボ群を有意に上回っており,概ね25%前後のLDL-C低下率を認めた。その結果,低リスク,中等度リスク,高リスクの,いずれのリスクカテゴリーにおいても,エゼチミブ追加群ではプラセボ群に比べLDL-C目標値達成率が有意に改善されていた。
 また,エゼチミブ追加によるLDL-C低下作用の増強は,年齢,性別,人種,またメタボリック・シンドロームや糖尿病合併の有無を問わず認められ,アトルバスタチン,プラバスタチン,シンバスタチンいずれとの併用でもLDL-C低下作用は増強された。
 さらにLDL-C低下以外にも,エゼチミブ追加により非HDLコレステロール(HDL-C)の有意な低下およびHDL-Cの有意な増加が認められた。
 エゼチミブ追加の忍容性はプラセボ追加と変わりなく,ALT,ASTともに正常上限値3倍以上の増加は0.5%未満であり,クレアチニンキナーゼの正常上限値10倍を超える増加は,1例も認められなかった。
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1030-191
Beyond LDL Control: Additional Benefits of Better Control of Hypertension and Glycemia in Patients on Statin Therapy: An Analysis From PROVE
Brigham and Women's Hospital Kaousik K. Ray氏

短期間のスタチン服用による特発性多発ニューロパシー増加の可能性は低い:症例・対照研究

■スタチン短期間服用は特発性多発ニューロパシー発症と無関係:症例・対照研究
 長期にわたるスタチン服用は,特発性多発ニューロパシーの有意な増加(3.7〜26.4倍)をもたらすとの症例・対照研究が報告されている。しかしUniversity of Utah(米国)のBair氏らが地元民間非営利保険会社Mountain Health Care Systemのデータベースを用いて症例・対照研究を行ったところ,特発性多発ニューロパシー発症群におけるスタチン服用オッズ比は1.30に過ぎず,しかも有意ではなかった(p=0.27)。
 同氏らはおよそ10万例のデータを有するIHCデータベースより,過去4年間の特発性多発ニューロパシー例を検索し,2次性の多発ニューロパシーを除外する目的で,以下の疾患と診断された例を除外した。除外されたのは,糖尿病,腎機能低下,アルコール乱用,癌,甲状腺機能亢進症,AIDS,ライム病,重金属中毒である。
 その結果,272例の特発性多発ニューロパシー例を特定し,同データベースより症例1例に対し5例ずつ対照を選択した。対照(1,360例)は,年齢,性別とIHC登録日をマッチした例が選択された。
 その結果,症例群では8.8%がスタチンを服用しており,服用期間は18か月だった。一方,対照群におけるスタチン服用率は6.9%で服用期間は14か月だった。服用期間は比較的短い。
 これらの数字は両群間に有意差はなく,また,服用しているスタチンの用量も同等だった。
 対照群に対する症例群のスタチン服用オッズ比を算出すると1.30,95%信頼区間は0.82 〜2.08となり,その差は有意ではなかった。
 Bair氏らはこの結果より,「スタチン服用と特発性多発ニューロパシーの間につながりはない」と結論している。
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1099-122
Do Statins Increase the Risk of Idiopathic Polyneuropathy? An Epidemiologic Study From Intermountain Health Care
University of Utah TarniL. Bair氏

ACSの再発予防ではLDL-Cだけでなく血圧・血糖値の管理も重要:PROVE IT筋炎の発現は高用量スタチンで有意に高い:PROVE IT

■ACS発症後イベント再発抑制にはLDL-C低下だけでは不十分:PROVE IT
 PROVE IT試験は,急性冠症候群(ACS)発症後10日以内からの積極的脂質低下療法の有用性を示したが,発症4か月後の時点ではLDL-C管理に加え,血圧・血糖値の管理も重要であることが分かった。Brigham and Women's HospitalのRay氏らが報告したPROVE ITのサブ解析の結果である。
 同氏らはPROVE IT開始4か月後にイベントを発症していない3,738例中,その時点の血圧値が明らかであった3,463例を対象として,血圧とその後の転帰の関係を検討した。
 その結果,LDL-Cが70mg/dL未満に低下していても収縮期血圧(SBP)が140mmHg以上であれば,その後の「死亡,心筋梗塞,不安定狭心症」リスクは「LDL-C 70mg/dL未満かつSBP 140mmHg未満」に比べ43%の増加を示した(p=0.05)。
 一方,LDL-C 70mg/dL以上であってもSBP 140mmHg未満であれば,相対リスクの増加は32%にとどまった。
 血圧管理の重要性は糖尿病合併患者で特に著明であり,SBPが130mmHg未満であればLDL-C 70mg/dL「未満」と「以上」の「死亡,心筋梗塞,不安定狭心症」リスクは同等だったが,SBP 130mmHg以上ではLDL-C 70mg/dL以上の患者において著明かつ有意なリスクの増加が認められた。
 一方,試験開始4か月後のHbA1c値が得られた2,835例で検討すると,LDL-C 70mg/dL未満であればHbA1c値が増加しても「死亡,心筋梗塞,不安定狭心症」リスクは有意な増加を示さないが,LDL-C 70mg/dL以上ならばHbA1c値増加に伴いリスクは有意に増加していた。
  Ray氏らは,「ACS患者慢性期にはLDL-C低下に加え,血圧と糖代謝の管理が必要であり,本成績は個々の危険因子ごとに管理を行うことの重要性を示した」と結論した。
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831-4
Elevations in Creatine Kinase With Intensive Statin Treatment: A PROVE IT-TIMI 22 Substudy
TNT Steering Committee and Investigators Stephen D Wiviott氏

筋炎の発現は高用量スタチンで有意に高い:PROVE IT

■アトルバスタチン80mg/日の筋障害発現がプラバスタチン40mg/日と同等
 急性冠症候群(ACS)10日以内にアトルバスタチン80mg/日とプラバスタチン40mg/日を開始する有用性を比較したPROVE ITの成績から,筋障害に関する成績を,PROVE IT研究者を代表してWiviott氏が報告した。PROVE ITの導入基準に従う限り,高用量アトルバスタチンによる筋障害の増加は著明でないことが明らかになった。
 本試験では,CK濃度が正常値上限の10倍を超えた場合,症状の有無に関わらず再検査を行い,再検査の時点で正常値上限の4倍を超えていれば,半量まで減量あるいは服薬中止とした。本解析は無作為割り付け7日後以降のデータを対象としているため,初期7日間のデータは除外されている。
 両群とも最も多く見られたのはCK正常値1.5〜2.9倍までの増加で,発現率はアトルバスタチン群9.3%,プラバスタチン群8.0%だった。正常上限3倍以上の増加は,正常値3〜5倍の増加がアトルバスタチン群の1.1%で認められた以外,全て1%未満の発現率だった。
 次に臨床上問題のある筋障害の発現では,筋症状またはCK上昇を理由に服薬を中止した例は,アトルバスタチン3.3%,プラバスタチン2.7%で有意差はなかった。また筋痛(有症,CK正常範囲内)発現はアトルバスタチン群6.0%,プラバスタチン群6.2%で同等だった。
 一方,筋炎(有症,CK正常値以上)発現はアトルバスタチン群で有意に多かった(0.5% vs 0.1%,p=0.022)。ただしCK正常値10倍を超える筋炎は稀で,アトルバスタチン群に1例を認めるのみだった。
 なお,CK正常上限3倍以上の増加を認めた例は,非白人で有意に多く(24% vs 9%,p<0.001),これらの例では試験開始時のCK値が有意に高かった(173IU/L vs 83IU/L、p=0.04)
 Wiviott氏は「スタチンによる筋障害発現は少ない」と総括したが,本試験ではアトルバスタチンと代謝競合の可能性がある,CYP3A4により代謝を受ける薬剤──クラリスロマイシン,エリスロマイシン,アゾール系抗真菌薬など──の服用例は除外されている。従って,それらの服用例におけるアトルバスタチンによる筋障害発現は,本解析からは不明である。
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831-5
Risk of Muscular Symptoms With High Dosage Statin Therapy in 7,924 Hyperlipidemic Patients in French Clinical Practice
Hospital Pitie-Salpetriere Eric Bruckert氏

臨床現場における高用量スタチンによる筋症状発現率は10.5%:PRIMOレジストリ

■QOLの観点から高用量スタチンに懸念:一般臨床では10.5%に筋症状,うち39%は鎮痛剤が必要
 高用量スタチンによる積極的脂質低下療法は有効だが,安全面から有害事象が危惧されてきた。一定の基準により患者を選別して行う臨床試験における有害事象発現率は少ないが, Hospital Pitie-Salpetriere(フランス)のBruckert氏は,一般開業医からの患者報告を集積したPRIMOレジストリのデータを解析し,高用量スタチン服用患者の10.5%に筋症状が発現しており,そのうち39%は鎮痛剤が必要となるほど重篤であったとして,QOLに高用量スタチンが及ぼす悪影響を指摘した。
 今回,調査の対象になったのは,PRIMOレジストリ中,高用量スタチンを3か月以上服用,あるいは調査前3か月以内に筋障害のため高用量スタチンを中止・減量した7,924例である。
 高用量スタチンの定義としては,アトルバスタチン,プラバスタチン,シンバスタチンでは40mg/日以上,フルバスタチンでは80mg/日以上とされた(ロスバスタチンは上市前)。アトルバスタチン40mg/日という用量は,積極的脂質低下療法の有用性を検討する臨床試験で用いられている半量である。
 筋症状を訴えたのは,832例(10.5%)だった。筋症状発現までの期間中央値は1か月,筋症状の70%以上が服薬開始・増量後の3か月以内に発現していた。
 筋症状を来した患者の84%は「服薬前にはなかった症状」という形で訴え,筋障害だと気づくきっかけは「身体活動の異常」が53%,「新規薬剤服用」が30%だった。
 また,筋障害自覚例の39%は鎮痛剤を必要としていた。
 筋症状の発現部位と自覚症状では,筋痛の58%は「だるさ,硬直,痙攣」と認識され,下肢に感じた患者が最も多く(58%),アキレス腱に痛みを感じたのは24%だった。一方,全身性の痛みを感じたのは17%にすぎなかった。
 筋障害の危険因子を多変量解析で求めると,「筋障害既往」,「痙攣」,「血中CK濃度上昇の既往」,「筋障害家族歴」と「甲状腺機能低下症」が筋障害を有意に増加させていたが,興味深いことに「抗うつ剤服用」により筋障害リスクは有意に低下していた。
 「高用量スタチン服用による筋症状の発現率は,従来考えられていた以上に高い」Bruckert氏は,このように結論した。
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